アイスランドでは、1月半ばにある「夫(ファーマー)の日」頃から2月半ばまでの約1ヶ月を「ソーリ(Þorri/Thorri)月」といい、古くから食された料理をいただく真冬のお祭り「ソーラブロート(Þorrablót/Thorrablot)」という伝統行事がある。
この期間、アイスランド国内のレストランでは、「ソーラマトゥル(Þorramatur/Thorramatur)」と呼ばれるソーリ月の料理が木製の大きな四角いトレイに並び、バイキング形式でいただくことができる。
「ソーラマトゥル」に欠かせない食材は「羊」。国民食である羊の頭のスモーク(スヴィズ)はもちろん、レバーソーセージ、睾丸、血のプディングなどが並ぶ。羊は国民の数より多く、アイスランド人にとって、暮らしと密着した身近で特別な存在だ。
また、ハカールと呼ばれる発酵したサメ肉などは、その珍味ぶりから日本のメディアでも紹介されるなど、世界一臭い食べ物の代表格として、スウェーデンの塩漬けされたニシンの缶詰「シュールストレミング」とともに、名前は知っているという人もいるだろう。
保存のきく料理ということで塩気のきいた料理が多く、1年で特別な期間ということもあり、この時期にはアルコール度数高めの酒が多く消費されるというのも納得。
約13世紀後半~14世紀前半ごろから見られるという伝統行事「ソーラブロート」。アイスランドの昔の知恵がたっぷりと詰まった恵みのご馳走にありつけるのは、この時期だけ。タイミングがあえば旅行客でもソーラマトゥルを楽しむことができる。
若い世代の間では、こういった伝統的な料理が苦手という人も増えているようだが、もし個性的な料理たちに遭遇する機会があれば、アイスランドのライ麦パンや蒸しパン、マッシュポテトと一緒にいただいてみたい。
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北欧ニュース編集員
ソーリ月に食べる料理「ソーラマトゥル」は、日本でいう「おせち料理」のような感じでしょうか?!
羊のいろんな部位を調理したものが並ぶようですが、どれも手が込んでそうですよね。
「ハカール」はチーズみたい?とも聞きますが、好きな方は強いお酒がすすみそう?