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2月9日から19日まで、ドイツ・ベルリンにて開催されていた第67回ベルリン国際映画祭。
最高賞の金熊賞が期待されたフィンランドのアキ・カウリスマキ監督は、最新作『Toivon tuolla puolen(The Other Side of Hope)』で銀熊賞部門の監督賞を受賞。
移民をテーマとした3部作の第2作目となる本作は、フィンランドのシリア移民を描いたコメディドラマ。第1作目の『ル・アーヴルの靴みがき(Le Havre)』(2011年/日本公開2012年)は、フランスの港町を舞台にアフリカの移民少年が登場する物語。ちなみに、最高賞の金熊賞を獲得したのは、ハンガリーのイルディコ・エニエディ監督作の『On Body and Soul』。
授賞式前の記者会見で、カウリスマキ監督は、ヨーロッパにおける“イスラミゼーション(イスラム化)”についてどう思うか?という質問に、「イスラミゼーション?」と一度聞き返し、「アイスランドは(昨年)サッカーで良いプレイをしたが結果はベスト8だった。それはアイスランドがヨーロッパを制覇したことにはならないのと同じで、ヨーロッパに“イスラミゼーション”は見受けられない。よくある文化的な変化だ」と、昨年のUEFA欧州選手権に初出場を果たし、劇的な勢いでベスト8まで登りつめたアイスランドを引き出して回答。
また、「フィンランド・タンゴをご披露しよう」と、隣に座っていた俳優のサカリ・クオスマネンに急に話を振ったカウリスマキ監督。急な申し出にも関わらず、美しい歌声を披露したクオスマネンに、記者たちからあたたかい拍手が送られ、会場はいっそう和やかな雰囲気となった。
ベルリン国際映画祭開催期間中、カウリスマキ監督は自らの進退に言及。フランス、ドイツ、スペインの港町を舞台にした3部作の構想を思い描いていたカウリスマキ監督だったが、フィンランド放送協会(YLE)によると、「(『The Other Side of Hope』が)最後の作品になる」と語り、3部作は完結せず、2作で終了する方向だという。
『Toivon tuolla puolen』
英題『The Other Side of Hope』
監督:アキ・カウリスマキ
フィンランド・ドイツ/2017年/フィンランド語・英語・アラビア語/98分/カラー
予告トレーラー:https://youtu.be/kCMYQ37UeeE
第67回ベルリン国際映画祭
https://www.berlinale.de/
北欧ニュース編集員
アキ・カウリスマキ監督、受賞おめでとうございます!
ただ、この作品を最後に制作をやめるとコメントしたそうで。。
3部作のうち、1作を完結させないのは監督の狙いとか?!
それにしても、予告動画の「寿司」が大変なことに(笑)
アキ監督ならではのリズムと空気感、ぜひ日本でも味わいたい!
(配給、されますよね?)
▼参考記事
アキ・カウリスマキ監督とフィンランド・タンゴの関係がわかる作品
『タンゴ愛をめぐる愛おしい人たちの音楽ドキュメンタリー「白夜のタンゴ」』
http://www.hokuwalk.com/News/page/page_id/012014102300015001
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http://www.hokuwalk.com/News/page/page_id/012017021300015001