(photo)Simon Paulin/imagebank.sweden.se |
クリスマスシーズンになると、人々はどんな過ごし方をするのだろうと、北欧のクリスマスについて様々なメディアを通して紹介されたりしている。よく目にしたり、聞いたりする「アドヴェント(待降節)」とは、イエス・キリストの降誕を待ち望む期間のことで、クリスマスイヴの4週間前から1週間に1本ずつ、計4本のロウソクに火を灯していく習慣がある。また、1から24(または25)までの日付入りのポケットを1日ずつ開いていくと、中にお菓子などが入っているといったアドヴェントカレンダーは子供たちの楽しみでもある。
ゆっくりと時間をかけて準備をしながら、年に一度のクリスマスの日を迎える北欧諸国だが、ツリーやプレゼント、料理のほかに、どうやら毎年、クリスマスを過ごすにはテレビの存在が大きいらしい。
例えばデンマークでは、毎年、12月1日から24日まで1話ずつ、デンマーク放送協会(DR)で特別なクリスマスショーが放送されるという。この24話は、1962年に初めて放送されて以来、クリスマスの伝統ともいえる番組になっているとのこと。また、アイスランドでも12月1日から24日まで、24話のミニ番組の放送があるという。店も何もかもが休みになる12月25日のクリスマス当日は、地方テレビ局が昼から晩まで映画を放送している。
クリスマスとテレビの関係で最も知られているのがスウェーデンかもしれない。スウェーデンでは、クリスマスイヴにドナルドダックの『Kalle Anka och hans vänner önskar God Jul(Donald Duck and his friends wish you a Merry Christmas)』という、1958年のウォルトディズニーのクリスマススペシャル番組を、家族とテレビの前に座って見るのが鉄板らしい。お隣ノルウェーでも、子供たちがクリスマスイヴに見るディズニーアニメを心待ちにしているという。恒例として放送されている番組は、『Donald Duck og vennene hans(Donald Duck and his friends)』。
フィンランドでクリスマスのテレビと言ってすぐに思いつくのは、首都ヘルシンキ南西部の都市、トゥルクで、毎年クリスマスイヴの正午に行われる「クリスマス平和宣言」のテレビ中継かもしれない。フィンランド人は、毎年テレビの前でこの様子を見ながら、クリスマスを祝うといわれている。
クリスマスに欠かせない、北欧の家庭におけるテレビの意外な存在感。それぞれの国の“定番”を楽しみながら、大切な家族と一緒に過ごすあたたかいクリスマスは、いつの年も特別なものに違いない。
北欧ニュース編集員
北欧関係者の間でも、「スウェーデンはドナルドダックを見るんだよね?」と、この時期によく出る話題なんですが、本当に多くの人がドナルドダックを見るそうですよ。日本でいう、この年末の歌番組を見ないと年が越せない!とか、駅伝を見ないとなんとなくお正月感が出ない!といった感覚と似ているのかも?