porokello.fi |
週末、マイナス30度以上を記録した極寒のラップランド。毎年、冬になると、トナカイと車との衝突事故のニュースが浮上する。
基本的にトナカイはどこにでもウロウロと歩き回るため、冬場、視界が吹雪で遮られる上に、暗闇で道路が滑りやすい環境下で、フィンランドやノルウェー、スウェーデンといった北欧各国でトナカイと車の衝突事故は、毎年頭を抱える大きな問題となっている。
ちなみにフィンランドのラップランドに生息するトナカイは20万頭以上。彼らはフィンランドの国土30%以上を歩き回り、年間4000件以上の事故を引き起こしている。
以前登場したユニークな事故防止法は、トナカイのツノに蛍光塗料を塗り、暗闇の路上でもドライバーがトナカイを発見できるといったもの。しかし、トナカイを発見したときには遅く、事故件数減少の効果はあまり期待できなかったという。
この深刻な事態に国が動き、フィンランド運輸庁から資金提供を受けたプロジェクトが発足。トナカイ事故を減らすためのアプリが開発された。その名も、トナカイ警告アプリ「Porokello(ポロケロ)」。
スマホの位置情報システムを利用し、運転手同士でトナカイ遭遇情報をアップデートしていく仕組みになっている。例えば、もし運転中にトナカイを見た時、地図上に位置マーカーを付けるボタンを押し、マーカーはその場所に30分間留まるため、他のPorokelloユーザーがその場所に近づくと、少し前にトナカイ遭遇情報があったことを警告してくれるというわけだ。
Porokelloは、2017年9月に一般公開されたアプリで、車からトナカイを遠ざけ、道路を安全に利用できるよう開発されたもの。無料で利用可能、現在1日に500から1000ほどのアプリユーザーがいる。
Porokelloによると、例年4000件以上ものトナカイ関連事故が、今シーズンは約3000件。アプリの効果が出ているようだが、あくまでも今の半分の2000件に抑えることが目標だという。
トナカイ警告アプリ「Porokelloアプリ」
https://www.porokello.fi/
北欧ニュース編集員
北欧ニュース、2019年一発目をお届けしました。本年も北欧ニュースをよろしくお願いいたします。
ツノに蛍光塗料を塗って事故防止する方法、ありましたね!効果があまりなかったというニュースを見たとき、何かテクノロジーを使ってどうにかできないものかと思いましたが、このアプリはトナカイや自分だけでなく、他人へのいたわりも感じます。自分の入れた情報で、トナカイや他の人の命が救われることもある。ユーザー同士で意識を高め、事故防止に取り組む形が素敵ですね。効果に期待!