Louisiana Museum of Modern Art Photo by Kim Hansen/ Wonderful Copenhagen Ateneum Art Museum Photo by Yiping Feng and Ling Ouyang (c) Helsinki Marketing Vasa Museum Photo by Melker Dahlstrand/ imagebank.sweden.se |
新型コロナウイルス感染拡大により、3月半ば頃から臨時休館していた北欧の美術館や博物館が規制解除により続々と再開。安全対策のため、人と距離を開けるなど、各国保健当局によるガイドラインに基づきながら来館者を受け入れる準備を進めている。
フィンランドのヘルシンキ市では、図書館や美術館、屋内スポーツ施設などが3月18日から閉鎖していたが、図書館や博物館をはじめ、スポーツ施設、文化施設、青少年活動の施設が運営を再開。ヘルシンキ現代美術館(キアズマ)は6月2日より、アテネウム美術館は6月1日より再開の予定。ただし、アテネウム美術館でのイベントは7月31日まで中止だという。
デンマークでも段階的解除により、ルイジアナ美術館はすでに5月22日に再開しており、SMK(National gallery of Denmark)は5月26日より再開。デザイン・ミュージアムなど休館を継続しているところもある。ノルウェーも同じく段階的に閉鎖が解除されており、ムンク美術館は6月15日に再開。2つの新しい展覧会をスタートさせる。アイスランドは他の北欧諸国よりもいち早く規制が解除され、国立博物館はすでに5月4日からオープンしている。
少し落ち着いてきてはいるものの、いまだ新規感染者数が多くみられるスウェーデンでも、6月半ば頃より美術館の再開が予定されている。館内でのレクチャーやイベントは中止とした上で、国立美術館は6月16日に再開。現代美術館もまた6月16日より再開し、子供たちの活動は屋外に移動。ガイドツアーも混雑を回避するためデジタルで対応する。制限の対象ではなく、営業を継続していた屋外博物館「スカンセン」は、週末など来館者が多い場合、人数制限をして対応していくという。
北欧の中で最も来館者数の多い博物館の一つといわれるヴァーサ博物館は休館を継続。運営費がチケット販売で賄われており、約85%が国外からの来館者。現在、巨額の経済的損失を被っているが、同館の一部であるスウェーデン国立海上交通博物館(SMTM)に、政府から追加の財政支援が出ることが決定している。
<北欧美術館情報(一部)>
※5月25日時点での情報。最新情報は各施設HPまたはSNSでご確認ください。
▼フィンランド
Ateneum Art Museum(6/1再開)
Museum of Contemporary Art Kiasma(6/2再開)
Sinebrychoff Art Museum(6/2再開)
Design Museum Finland(6/1再開)
Helsinki Art Museum(6/2再開)
Design Museum Arabia(6/2再開)
▼デンマーク
Louisiana Museum of Modern Art(再開)
Design Museum Denmark(休館継続)
SMK(National gallery of Denmark)(5/26再開)
▼スウェーデン
National Museum(6/16再開)
Modern Museum(6/16迄)
ABBA The Museum(休館継続)
Vasa Museum(休館継続)
Skansen(営業中)
▼ノルウェー
Munch Museum(6/15再開)
National Museum(再開)
※2021年に新美術館が開館予定。現在は建築とVilla Stenersenのみ。
▼アイスランド
National Museum of Iceland(再開)
Reykjavík Art Museum(再開)
National Gallery of Iceland(再開)
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美術館・博物館が休館中!アートはオンライン・ギャラリーでも楽しめる(2020/03/31)
北欧ニュース編集員
コロナショック後の暮らしは元どおりではないかもしれません。コロナと付き合いながらの新しい生活になりそうですよね。ルールを守りながら、みんなで一歩ずつ。何度も足を運んだことのある場所や何気ない時間が新鮮に感じられそう。
今年も北欧への旅を楽しみにされていた方も多いと思います。今はまだ国外には出られませんが、安全に行動して、楽しく旅行出来る日を心待ちにしたいですね。
※次号(6/2)と次々号(6/9)はお休みします。