後方に見えるのがフィンランド国立博物館 Photo by Julia Kivelä / (c)Visit Finland |
今年はムーミンの物語が誕生して75年の記念の年。フィンランド国立博物館(The National Museum of Finland)にて、ムーミン75周年を祝う展覧会「Courage, Freedom, Love!」が8月14日(金)よりスタートした。
会場には、テントやハンモック、手漕ぎボート。将来のパートナーを見ることができるという井戸や覗くことができる洞窟。浮いて揺れる劇場の舞台でパフォーマンスをしたり、海辺の崖に登ったり、氷に飛び乗ったり。子供たちにとってワクワク感いっぱいの空間になっている。
もちろん大人にとってもノスタルジックで心地よく、トーベ・ヤンソンの私物や伝記を通じて、ムーミンの物語の背景にある世界を紐解くことができる。トーベ・ヤンソンの本と同様、すべての年齢層が対象。体験の仕方でさまざまな解釈を楽しむことができる。イラストや引用は全てトーベ・ヤンソンのオリジナル作品が基になっている。
本国のムーミン公式サイトによると、展覧会の展示構成を担当したヘッド・デザイナーのAlexander Reichstein氏は、子供の時に見たかった世界を作りたかったといい、“雰囲気”を作り上げることに焦点を当てたという。
ロシア・モスクワ生まれのReichsteinは80年代に、母国語であるロシア語でムーミンと出合う。母親が翻訳者だったこともあり、若い頃から自然とムーミンの本に触れ、その世界に魅了されたという。1990年よりヘルシンキに住み、子供向けのアートを手掛けている。
ムーミンの物語の中で描写される友情・愛・自然への敬意・冒険への愛・平等・寛容・自由・勇気。これらは、75年変わることなく今日でも多くの人々に語られている。同展では、来館者がムーミンの物語で感じるさまざまな感情を体験し、ムーミンの価値が自分や社会にもたらす意味をあらためて熟考できるような内容になっている。
ムーミン75周年記念展「Courage, Freedom, Love!」は、2021年2月28日(日)まで。
「Courage, Freedom, Love!」
会期:2020年8月14日(金)~2021年2月28日(日)
会場:フィンランド国立博物館
https://www.kansallismuseo.fi/
ティザー動画:https://youtu.be/jY19RNnd8y0
北欧ニュース編集員
展覧会のガイドツアーや、ディスカッション、トークなど、イベントもたくさん予定されています。例えば、9/13には、映画『TOVE』(現地10/2公開)のメイキング・ドキュメンタリー(30分/英語字幕付き)を上映。ザイダ・バリルート監督や主演女優のアルマ・ポイスティ、ムーミンの研究者であるシルケ・ハッポネン博士が参加するディスカッションセッションもあるようです。
現地にいらっしゃる皆様、見逃せないですね!日本からも、開催期間内にフィンランドを訪問できるようになっているといいですね!
▼映画『TOVE』の本国での公開は9月末から10/2になった模様です
ムーミンの作者トーベ・ヤンソンの人生を描いた初の長編映画、フィンランドで9月公開
▼ムーミン研究の第一人者シルケ・ハッポネンさんは『ムーミンキャラクター図鑑』の著者。『青い光が見えたから―16歳のフィンランド留学記』(講談社)の高橋絵里香さんが翻訳を担当されました。
【ムーミンキャラクター図鑑】あの主役級から、チョイ役キャラまで楽しく解説!