© Guttorm Stilen Johansen © Guttorm Stilen Johansen © Adrià Goula |
当初、2020年6月に開館する予定だったのが、新型コロナウイルスの影響もあり、幾度かの開館延期を乗り越え、今秋、ムンク美術館(MUNCH)が満を持してオープンを迎える。
設計に携わったのは、スペイン・マドリードを拠点に活動するEstudio Herreros。オスロの街を念頭に置き、フィヨルドの端に位置する新しい美術館を意識してデザインした。ウォーターフロントにあるこの新しい美術館の最上階となる13階は、展望スペースになっており、オスロフィヨルドの美しい景色を眺めることができる。
半透明のアルミニウムファサードは、オスロの空の色の変化を楽しむことができ、エドヴァルド・ムンクとノルウェーの風景との繋がり、季節を問わず、屋外で絵を描くことを好んだムンクに敬意を表して作られたという。
美術館には11の新しい展示室があり、代表作の「The Sun (1909)」や、アイコン的な作品「The Scream(叫び)」の1893年のパステル画や1910年のテンペラ画をはじめ、26,700以上におよぶエドヴァルド・ムンクの豊富なコレクションが披露される。
オープンにあたり、オンライン記者会見にて、ムンク美術館のスタイン・オーラヴ・ヘンリクセン(Stein Olav Henrichsen)館長は、「作品を通じて、ムンク本人の人生を知ってもらいたい」と話し、「(6月時点で)やっとここまで来た。作品を運び込んでいるような状態にまでなってきた」と、10月に一般来館者を迎える準備が着々と進んでいることをアピールした。
ムンク美術館の特徴としては、1日では全部見切れないほどの作品量のため、展示と展示の間に、飲食が気軽にできてリラックスしながら見て回れるというのがポイント。1階にカフェ、夏になると外で食事も可能。12階にはレストラン、13階にはバーがあり、「素晴らしい景色とともに、料理やお酒を楽しんでもらいたい。特に注目してもらいたいのはテラス。高さもあるので忘れられない経験になると思う」と館長。
また、芸術と文化体験のスポットとして、若手のために、エドヴァルド・ムンク芸術賞なども開催する予定。今後、ムンクが誰からインスピレーションを受けたのか、また、後世の誰に影響を与えたのかといった内容を踏まえた展覧会を計画しているという。
従来の美術館という概念にとらわれることなく、いろんな体験をできる場。毎日来ても、常に何か新しい経験が出来る場所になればと、子ども向けのインタラクティブな体験やデジタルを駆使したイベントなども実施する予定だ。
▼オープニングプログラム詳細
https://www.munchmuseet.no/en/program2021/
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北欧ニュース編集員
新しいムンク美術館がやっと開館へ!ウォーターフロントの眺めが素敵な立地ですね。館内は写真撮影OKとのこと!館長が、「SNSなどを通じて、知り合いに広めてほしい。大歓迎!」とおっしゃっていました。お楽しみのミュージアムショップも充実しているようで、価格帯が幅広く、高品質なものが揃っているそうです。展示を見ないのであれば、無料で利用することもできるとか。飲食したり、リラックスしに行ったり、ただお喋りするために訪れることも出来ます。人々の憩いの場になりそうですね。
※北欧ニュースは夏休みに入ります。次号配信は、8月下旬を予定しています。お楽しみに!良い夏をお過ごしください。