Photo by Finnish Heritage agency Photo by Lauri Oino / Finnish Heritage agency |
2021年のユネスコ無形文化遺産に、北欧5カ国(デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデン)による伝統的な「クリンカーボート(クリンカー艇)/Nordic clinker boat traditions」が登録された。
建築物といった有形文化財を対象とする世界遺産に対し、無形文化遺産は、民俗文化財、フォークロア、口承伝統などの無形文化財、伝統的な慣習や工芸など、無形遺産が対象となっている。
北欧の木造のクリンカーボートは、何千年もの昔から造られている特殊な船。現在でもボートは人々の暮らしに密着しており、例えば、夏の保養地として知られるフィンランドの湖水地方のコテージで過ごす際など、ボートは必須アイテムとなる。のんびりと漕いだり、釣りをしたりして楽しむという。
その他、2021年は、フィンランドの「カウスティネンのフィドル演奏/Kaustinen fiddle playing and related practices and expressions」も、ユネスコ無形文化遺産に登録された。フィンランドでは、2020年の「サウナ文化/Sauna culture in Finland」に続き、2021年は、「クリンカーボート」とともに、新しく2件が追加されたことになる。
カウスティネンは、フィドル演奏の伝統を受け継いできた人口約4300人の小さな村。毎年7月に開催されるカウスティネン民俗音楽祭は、世界的にも最も重要なフィンランドの民俗音楽祭として知られる。
また2021年は、グリーンランドの「イヌイットの太鼓の踊りと歌/Inuit drum dancing and singing」が、無形文化遺産のリストに登録された。
グリーンランドのイヌイットにとって、太鼓の踊りと歌は、アイデンティティを共有し、過去と今の繋がりを生み出す手段だという。グリーンランドでは平等の象徴として認識されており、年齢や性別、社会的地位、政治的見解に関係なく、すべての人に属するものとして広く認識されている。
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北欧ニュース編集員
1月も真ん中を過ぎましたが、2022年も北欧ニュースをどうぞよろしくお願いいたします♪
昨年登録されたユネスコ無形文化遺産は、「Nordic clinker boat traditions」で、北欧5カ国が仲良く登録されました!
日本では、2020年に登録された「伝統建築工匠の技 木造建造物を受け継ぐための伝統技術」が最新。
どんどんグローバル化してボーダーレスな世界になればなるほど、その国、土地の伝統的な音楽や芸術、技術、慣習などが際立ちますよね。未来に繋いでいきたいですね!