現地時間の4月14日、第75回カンヌ映画祭の公式出品作品が発表された。最高賞のパルムドールを競う今年のコンペティション部門をはじめ、北欧映画ファンにとって楽しみなセレクションになっている。
まず、コンペティション部門には、スウェーデン映画『ボーダー 二つの世界』で2018年にある視点部門を受賞したアリ・アッバシ(Ali ABBASI)監督の最新作が登場。『HOLY SPIDER』(フランス、ドイツ、スウェーデン、デンマーク合作)が出品された。
また、『フレンチアルプスで起きたこと』で話題を呼び、『ザ・スクエア 思いやりの聖域』で2017年にパルムドールを受賞。スウェーデンのリューベン・オストルンド(Ruben ÖSTLUND)監督最新作『TRIANGLE OF SADNESS』(スウェーデン、英国、米国、フランス、ギリシャ合作)、さらには、Tarik SALEH監督の『BOY FROM HEAVEN』(スウェーデン)と、今回北欧からはスウェーデンにゆかりのある監督作が並んだ。
日本からも、『万引き家族』で2018年にパルムドールを受賞した是枝裕和監督の初となる韓国映画『ベイビー・ブローカー(BROKER)』(韓国)が出品された。6月に日本での公開が決定している。
独特なビジョンやスタイルを持つ作品が並び、毎年注目を集める、ある視点部門には、アイスランドのHlynur PÁLMASON監督の『VANSKABTE LAND / VOLAÐA LAND(GODLAND)』(デンマーク、アイスランド、フランス、スウェーデン合作)や、ノルウェーからは、Kristoffer Borgli監督の『Sick of Myself(Syk Pike)』(ノルウェー)が出品された。
ある視点部門には、超高齢化社会を描いた日本の早川千絵監督による『PLAN75』(日本)も選出された。日本では6月17日の公開が予定されている。
2018年の『ザ・スクエア 思いやりの聖域』公開時に来日したリューベン・オストルンド監督は、最新作『TRIANGLE OF SADNESS』についてすでにインタビューで触れており、監督の得意とする巧みで鋭い人間考察が見られそうな予感。日本での公開にも期待。
第75回カンヌ国際映画祭は、5月17日(火)から28日(土)まで開催される予定。
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画像:第75回カンヌ国際映画祭 公式ポスタービジュアル
L’Affiche officielle 2022 © Paramount Pictures Corporation - Jim Carrey, The Truman Show de Peter Weir / Graphisme © Hartland Villa
北欧ニュース編集員
熱い北欧映画監督たちが大渋滞していますよ(笑)ちょうど4年前になりますが、リューベン・オストルンド監督が2018年に来日された際にお話してくださった新作がついに!待ちわびていたので、本当に楽しみです。(日本でも公開されますよね?)
あと、上田慎一郎監督作『カメラを止めるな!』のリメイク版、フランスのミシェル・アザナヴィシウス監督による『Final Cut』(英題)/『Z (comme Z)』(仏題)が、なんと、アウト・オブ・コンペティション部門に選出され、さらには、映画祭のオープニング作品としてプレミア上映されることに!リメイク版は7月に日本でも公開予定だそう。カンヌでどんな反応があるか、こちらも楽しみですね!