Kari Virtanen. Photo Elina Simonen KF2022 Kari Virtanen, Storia stools, ash. Photo Nikari KF2022 Kari Virtanen, Periferia tables, Konstruktio bench, oak. Photo Nikari |
ビジネスでのデザインの使用を促進し、フィンランドの企業や組織の成長、国際的な競争力と成功をサポートする非営利のデザイン協会、デザイン・フォーラム・フィンランドから、今年も企業や実績のあるデザイナー、若手デザイナーに与えられるデザイン各賞が発表されている。中でも特に注目が集まるのは、経験豊富なデザイナーから選出されるカイ・フランク・デザイン賞だ。
今年、2022年のカイ・フランク・デザイン賞は、家具職人で、家具ブランド「Nikari(ニカリ)」の創始者であるKari Virtanen(カリ・ヴィルタネン)が受賞した。
1948年生まれのヴィルタネンは、フィンランドで最も著名な木工作家の一人。14歳から家具工房で見習いをし、19歳の1967年に、自身の家具工房「ニカリ」を設立した。伝統的な木工品とデザインを組み合わせることに重点を置きつつ、国内外のデザイナーと多彩な家具を生み出してきた。
受賞にあたり、審査員らは、木材を用いたクラシックなフィンランドのデザインなど、ヴィルタネンの長年にわたる功績や哲学に着目。また、伝統を再解釈しながら、国際的にもネットワークを広げ、外国人デザイナーによる独自のコレクションも充実させてきた。さらに、ヴィルタネンは、若手デザイナーや大工の世代のメンターとしても重要な役割を担っている。
ちなみに、2021年にカイ・フランク・デザイン賞を受賞したのは、フィンランドのテキスタイルデザイナー、ヨハンナ・グリクセン。幾何学模様の織りのパターンが特徴的なノルマンディシリーズは、日本でも高い人気を誇る。
また、2020年のカイ・フランク・デザイン賞を受賞したのは、同国を代表するデザイナーでインテリアアーキテクトのイルッカ・スッパネン。大きなデザインプロジェクトや建築、家具、プロダクトデザインまで幅広く手掛ける。Snowcrashグループの創設者の一人として、1990年代後半に躍進を遂げた。1997年のミラノ家具見本市でのショーでは、フライングカーペットソファなどが注目を集めた。
北欧ニュース編集員
ニカリの家具は、駐日フィンランド大使館敷地内にあったメッツァ・パビリオンで使われていました。ミニマムでシンプル、丁寧に仕上げられた木のぬくもりを感じる家具は、機能的で、どこか個性も感じるモダンな家具という印象でした。ニカリからは、日本人デザイナーによる家具も!今後も注目していきたいブランドですね。