Photo:Nasjonalmuseet |
オスロ市庁舎、アーケシュフース城、アーケル・ブリッゲ周辺、オスロフィヨルドの絶景を楽しむことが出来るノルウェーの首都オスロ自慢のウォーターフロントに、6月11日、国立美術館がリニューアルを経てオープンした。
予定されていた2020年のオープンから2年。ついにお目見えとなった国立美術館は、北欧最大級の美術館としてオスロの新しいアートスポットとして登場。
同館の特徴としては、2階建てで86の展示室があり、古代から近代の美術、現代アート、デザイン・工芸から建築までを網羅する6,500点以上の膨大なコレクション。さらには、年月を経て美しさを増す経年変化の素材を使用し、低層で設計された持続可能な環境に配慮した建築。また、ノルウェーを代表する画家エドヴァルド・ムンクの、生涯で最も重要な時期に生み出された作品を展示する「ムンクの部屋」、北欧最大の美術図書室やカフェなども入っている。
この新しい国立美術館は、これまでオスロ市内に点在していた国立美術館群の4つのミュージアム(近代以前の美術、現代美術、デザイン・工芸、建築)が統合されたため、収蔵品は約40万点以上、展示エリアは13,000平方メートルという、統合前の合計展示スペースの約2倍、総面積は54,600平方メートルにおよぶ。
新しい国立美術館の建築を手掛けたのは、ドイツ人建築家のクラウス・シューヴェルク(Kleihues+Schuwerk)。こだわった部分は、低層で、何世紀にもわたって美術品を収蔵できる耐久性、持続性があること。素材にはオーク材、ブロンズ、大理石を使用し、ファサード全体はノルウェー産のスレートで覆われている。また、現行の建築基準に比べ、温室効果ガスの排出を50%以上削減するといった、環境に配慮された設計になっているという。
また館内では、芸術表現に挑戦できるワークショップや、公開討論会、アーティストトーク、コンサート、上映会といったイベントプログラムなども予定されているとのこと。
開館を記念する企画展では、これまでに国立美術館での所蔵歴のない、ノルウェーの新しいアートを求めて選ばれた147人の作家による作品が展示されている。
昨年10月には新しいムンク美術館もオープンしており、オスロのウォーターフロントがますます魅力を増し、観光客を惹きつけるに違いない。
国立美術館
https://www.nasjonalmuseet.no/en/
北欧ニュース編集員
2020年6月には、オスロに新しい公共図書館「Deichman Bjørvika」が、2021年10月には「ムンク美術館」がオープンするなど、文学や芸術に触れることができる市民の憩いの場が次々に誕生しています。環境に配慮した建築も気になりますね。ますますオスロ市内スポット巡りが楽しくなりそう!
▼参考記事
芸術と文化体験の新スポット「ムンク美術館」、10月22日ついに開館へ(北欧ニュース:2021/07/27)
オスロに新しい図書館!6月18日にオープン(北欧ニュース:2020/06/16)