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ロシアによるウクライナ侵攻から8カ月。ロシアから欧州各国へのガス供給量削減により、天然ガスの価格が高騰し、光熱費が約3倍になるなど、欧州各国のエネルギー危機が深刻化している。
このことを受け、欧州各国政府は、地下の天然ガス貯蔵庫を満たすなど、冬に備えて準備を整えているとの報道がある。しかし、専門家によると、欧州の天然ガス貯蔵庫は数カ月しか持たないため、この冬はしのぐことができたとしても、来シーズンまで持たず、さらに悪化する可能性があると見られている。
そのため、欧州各国は今年、電力消費を削減、抑えるために様々な取り組みに踏み出している。ロシアへの天然ガス依存度が比較的高いフィンランドでは、今年の冬、例えば、毎日利用していたサウナを週1回にして頻度を減らしたり、シャワーを浴びる時間を短くしたりするよう求められているという。
また、フィンランドは、10月10日より、温度を1度低く設定しようという「Astetta Alemmas(Down a degree)」キャンペーンを展開。対策としては、室内の設定温度1度下げる、娯楽機器の利用を減らす、ガソリンを節約するために自動車の速度を落として運転するといったことを求められているとのこと。
フィンランドのエネルギー庁のホームページでも、すべての人にエネルギーがまんべんなく行きわたるようにするために、節電のヒントを掲載。家庭で不要なエネルギー消費をなくし、1日の中で最も使われるような電力使用時間を避けて使用することが重要だとしている。効果的な節電に繋がるのは、室内の温度を下げ、湯を控えめに使用。シャワーの温度を1度下げ、どのくらい節電できているかなどを常にチェックすることも大切だと国民に訴えている。
▼「Astetta Alemmas(Down a degree)」キャンペーン
https://www.astettaalemmas.fi/
北欧ニュース編集員
日本も他人事ではないですが、深刻なエネルギー危機が欧州各国を悩ませています。あったか靴下やインナーをしっかりと身に付けて、室内温度を下げる。寒い冬にサウナやシャワーの時間を短縮しなければならないのは大変ですが……。
ちなみに、ノルウェーは石油とガスもありますが、水力発電により電力をほぼまかなうことができます。アイスランドも水力・地熱発電で90%の自給率を誇っています。