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世界で最も有名なフィンランド人アーティストの一人、トム・オブ・フィンランド(本名:トウコ・ラークソネン)の作品と人生を紹介する大規模展覧会「Tom of Finland - A bold journey」が、2023年4月28日(金)から10月29日(日)まで、ヘルシンキのキアズマ現代美術館で初めて開催される。
トム・オブ・フィンランドは、木こり、モーターサイクリスト、サラリーマン、兵士、警察官などの筋骨隆々とした、逞しいゲイ男性たちを、鉛筆一本で丁寧に、生き生きと描いたアーティストとして知られ、20世紀後半のゲイカルチャーに大きな影響を与えた人物。
展覧会「Tom of Finland - A bold journey」は、田舎の若者だった頃、都市部への引っ越し、兵役、戦後、ヨーロッパとアメリカでの旅行といった、トムが体験した出来事や過ごした場所を中心に、アーティストとしての60年にわたるキャリアを網羅した内容になっているという。
また、トムの作品は、多くの著名なクリエーターに多くの影響を与えている。例えば、アメリカの写真家、ロバート・メイプルソープや、フランスのファッションデザイナー、ジャン=ポール・ゴルチエなど、彼らの作品に見られるトムからの影響力、イメージメーカーとしてのトムのスキルは本展の目玉となっている。
国内のみならず、国外からの訪問客も足を運びやすい半年という長期開催期間が設けられているため、この春から秋にかけて、フィンランドへ向かう人はぜひ立ち寄りたい展覧会の一つである。
大規模展「Tom of Finland - A bold journey」
期間:2023年4月28日(金)~10月29日(日)
会場:キアズマ現代美術館
https://kiasma.fi/
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北欧ニュース編集員
フィンランドを代表するアーティスト、トム・オブ・フィンランド。2019年にはベールに包まれた彼の半生を描いた映画が日本でも公開され、2020年には日本初個展となる「Reality & Fantasy The World of Tom of Finland」も開催されました。
色んなことがタブーとされていた時代だったにも関わらず、それを乗り越えて描き続けてきたトム・オブ・フィンランド。母国フィンランドの現代美術館で開催されるということで、より深掘りされた内容になっているのではないでしょうか。現地に行かれる方はぜひ!
※次号の配信は、4月上旬になります。