第76回カンヌ国際映画祭ポスター |
5月16日から27日まで、フランスのカンヌにて開催された「第76回カンヌ国際映画祭」が閉幕。審査委員長を務めたスウェーデンのルーベン・オストルンド監督らにより、今年のコンペティション部門に出品された21作品の中から受賞者が発表された。
北欧からは、フィンランドのアキ・カウリスマキ監督の最新作『KUOLLEET LEHDET(Fallen Leaves)』が審査員賞を受賞。トーベ・ヤンソンの半生を描いた『TOVE/トーベ』で、トーベを演じた女優のアルマ・ポウスティが主演を務めた作品で、カウリスマキ監督の6年ぶりとなる待望の長編作品に花を添えた。
https://www.festival-cannes.com/en/f/kuolleet-lehdet/
また、短編映画作品で、アイスランドのGunnur MARTINSDÓTTIR SCHLÜTER監督による『FÁR(INTRUSION)』が特別賞に輝いた。
ダウンタウンのカフェで3人の同僚で将来について話し合っていた時に、目の前でカモメがカフェの窓に激突。同僚の一人はその出来事を懸命にスルーしようとするも、無視できない状態に陥るといった物語。
https://www.festival-cannes.com/en/f/far/
さらに、476の映画学校から提出された2000もの応募作品の中から選ばれた16本から選出される学生映画のための賞「ラ・シネフ賞」にて、デンマーク映画学校のMarlene Emilie LYNGSTAD監督による『NORWEGIAN OFFSPRING』が見事一等賞を獲得。母親を亡くした息子が、現代社会における男性として生きる抑圧に取り憑かれ、自分の子孫を切望し始めるという物語。
一等賞には15000ユーロ(2位11250ユーロ、3位7500ユーロ)の賞金が与えられるほか、受賞作品は、6月5日の午後6時30分より、Cinéma du Panthéonで上映されることが決定している。
https://www.festival-cannes.com/en/f/norwegian-offspring/
今年の最高賞のパルム・ドールは、フランスのジュスティーヌ・トリエ監督作『ANATOMIE D’UNE CHUTE (ANATOMY OF A FALL)』が受賞。カンヌの最高賞を獲得した女性監督では、トリエ監督で3人目となった。
また、今年のカンヌを賑わせた日本作品からは、ヴィム・ヴェンダース監督の『PERFECT DAYS』で主演を務めた役所広司が最優秀男優賞を受賞。さらには、是枝裕和監督の『怪物』で脚本を手掛けた坂元裕二氏が脚本賞に輝いている。
https://www.festival-cannes.com/
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コンペ部門にあのフィンランドの著名監督作品が正式出品!第76回カンヌ国際映画祭(北欧ニュース:2023/04/18)
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北欧ニュース編集員
アキ・カウリスマキ監督、おめでとうございます!予告トレーラー(上記URL参照)を見るあたり、カウリスマキ監督が作り上げる独特な空気感を感じます。日本での公開を期待しちゃいますね!
カンヌプレミア作品として上映された北野武監督の6年ぶりとなる新作『首』も、長いスタンディングオベーションを獲得したとのことでした。