昨年のセレモニーの様子 Nordic Council Prizes Award Ceremony 2022 Photo by Magnus Fröderberg/norden.org |
北欧地域の映画制作とその市場を促進するために授与される「北欧理事会映画賞(Nordic Council Film Award)」のノミネート作品が発表された。この映画賞は、北欧理事会の50周年記念式典の一環として2002年に初めて授与されたもので、2005年より正式な賞としてスタートした。
対象となるのは、北欧で制作された芸術性の高い長編映画で、2022年7月1日から2023年6月30日の間に劇場公開された作品。賞金30万デンマーククローネ(日本円で約63万円※)は、受賞した脚本家、監督、プロデューサーの間で均等に分配される。受賞者は、10月31日にノルウェー・オスロで開催される授賞式で発表されるという。
今年の北欧理事会映画賞には、計6本の北欧映画がノミネート。今回、グリーンランド映画が初めてノミネートされ、話題となっている。
2023年の北欧理事会映画賞のノミネート作品は以下のとおり。(国名アルファベット順)
デンマーク
『Empire』 監督:Frederikke Aspöck
1672年から1917年までデンマーク領だったカリブ海の西インド諸島の島が舞台。友人同士だが、生活環境が大きく異なる立場にいる2人の女性の物語。
フィンランド
『Bubble』 監督・脚本:Aleksi Salmenperä
16歳のエヴェリーナは、親しい友人たちと愛情深い両親に恵まれた、とても活発なティーンエイジャー。ある日、母親が女性と浮気していることを知り、彼女の世界は突如崩壊してしまう。
グリーンランド
『The Edge of Shadows』 監督・脚本:Malik Kleist
6人の若者が神話上の怪物Qivittoqに襲われてから8年が経過。グリーンランドの首都ヌークで観光ガイドを務めるトゥーマは、あの日、ガイドしていた観光客に、「若者たちが襲われた場所に行ってもいいか」と尋ねられてしまう。 到着すると、二人の観光客が姿を消していた。
アイスランド
『Driving Mum』 監督・脚本:Hilmar Oddsson
1980年のアイスランドが舞台。西フィヨルドの人里離れた農場に住む50代独身男性ジョンは、亡くなった母親の最後の願いを叶えるべく、犬と遺体(母)を車に乗せて、彼女が希望する生まれ育ったアイスランド南部の漁村へ向かう。
ノルウェー
『War Sailor』 監督・脚本:Gunnar Vikene
3人目の子供の父親になった労働者階級の船員の男。彼と幼なじみの2人は、大西洋の真ん中で商船で働いていたが、第二次世界大戦が勃発。船員たちの目標はただ1つ、生き残って故郷に帰ることだった。
スウェーデン
『The Opponent』 監督・脚本:Milad Alami
イマンと彼の家族はイランから難民としてスウェーデン北部の荒廃したホテルにたどり着く。亡命の可能性を高めるため、彼は妻との約束を破り、地元のレスリングクラブに入会する。
※9月12日時点のレート
北欧ニュース編集員
毎年、北欧で制作された「芸術性の高い長編映画」が、北欧5カ国より1作品ずつノミネートされる北欧理事会映画賞。今年は、グリーンランド(デンマーク領)から初選出されました!時代背景や切り口も異なる作品ばかりで、ワクワクします。みなさんは、どの作品を見てみたいですか?日本での公開もあるといいですね!
※来週の北欧ニュースはお休みです。