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展覧会「キュッパのびじゅつかん―みつめて、あつめて、しらべて、ならべて」本日スタート!



今年2月、ノルウェー王国大使館にて発表された展覧会「キュッパのびじゅつかん―みつめて、あつめて、しらべて、ならべて」が、いよいよ本日7月18日より、東京都美術館にてスタート。昨日の報道向け内覧会で披露された会場の様子とオープニングセレモニーの様子をお届けします。

本展は、来場した人々が、自分でミュージアムを作っていく参加型のユニークな展覧会。「キュッパ」とは、モノを集めるのが大好きな丸太の男の子。ノルウェー生まれの絵本キャラクターです。本展は、このキュッパの物語を入口として展開されます。案内役はもちろんキュッパ!

【7/18-10/4】キュッパの世界を体験!みんなで作ろう!「キュッパのびじゅつかん」

 

キュッパの絵本の作者、オーシル・カンスタ・ヨンセンさんは今回、ノルウェーから一家揃って来日。家族があたたかく見守る中、展覧会開催にあたり、「この気持ちをどう表現すればいいかわかりません。このようなとんでもなく素晴らしい機会をいただき、関係者の皆様に感謝もうしあげます」と興奮気味に話すと、「一つのキャラクターがまるで生命を与えられて、自分の人生を歩みだしたかのよう。その人生を私が見守るような感じ」と感慨深げ。そのキャラクターがまた、さまざまな形になって多くの人々の目に触れ、愛されているとに感動しているとオーシルさん。

エントランスから下に降りてすぐ目に入ってくるのは、オーシルさんの作品展示コーナー。壁には手描きの大作が!妹さんにも手伝ってもらったとか。オーシルさん一家のファミリーワークともいえる素敵なコーナーは必見です。

   
栗田宏一「SOIL LIBRARY/JAPAN」岩田とも子「粟島自然観察船-船になった学校-」  
   
本展で、芸術家たちとコラボレーションしたオーシルさん。会場では、一人ひとりにフォーカスした展示が楽しめます。例えば、栗田宏一さんによる作品(画像左)は、日本全国全市町村の土を採集したプロジェクト「SOIL LIBRARY/JAPAN」。未採取の場所はなんと、あと9市町村のみ(2015年4月現在)。土の質感の違いは感じていたものの、色にまでこんなに違いがあるとは思わず、その美しさには思わず声がもれました。

右は、まるでキュッパのようにモノを集めたり、拾ったり、標本にしたりする岩田とも子さんの作品。真ん中のYの字になった木の枝にはクモの巣が!私も子供の頃によくやっていたもので、懐かしみながら眺めてしまいました。雨上がりや、朝露がついたクモの糸がまた格別。キラキラしてキレイなんですよね。

さあ、アーティストたちの展示で五感を刺激された後は、いよいよ、自分で動いて、「みつめて、あつめて、しらべて、ならべて」を、やってみましょう!


≪日比野克彦「bigdatana-たなはもののすみか」≫

メインフロアには、日比野さんによる圧巻の巨大インスタレーション!尾鷲と遠野のヒノキで作られた巨大棚です。幅12メートル、高さ8メートルのこの棚に、フロアに集められたモノを分類して集めて展示して、みんなで“びじゅつかん”を作っていこうという仕組み。

棚に登れるのは、一回につき10人まで。また、スカートの方は下が開いているので注意が必要。さらに、身長190センチメートル以上の人は頭上注意です。(詳しくは案内スタッフにお尋ねくださいね)



体を使って、並んでいるモノに触って、自分で作る美術館なんて、なかなかない!この箱を手にとり、日比野さんからの“指令”に従って、分類し、標本箱を作りましょう。大型のタッチパネル画面もあるので、モノが何なのか、どんなモノが置いてあるのかを調べることもできます。

   
アラン・ケイン「Home of Orphaned Dishes」
(忘れられた器たちの棲み家)
小山田徹
「浮遊博物館2015」
 
   
左画像は、60~70年代のイギリスの器が並ぶアラン・ケインさんの作品。流行が去り、家で居場所を失っていた器たちを出して並べてみると、これまでになかったような新たな解釈、価値が生まれてくるので不思議です。モノとの関係性をあらためて考え、向き合うことができるチャンス。ここも参加型になっており、奥の何も飾られていないスペースには、来場者が持参した器を並べていく予定。

右の小山田徹さんの展示にも魅了されました。上野公園周辺、谷中の6軒の一般家庭に協力してもらい、家に眠っていた日常のモノたちを天井から吊り下げ、空中で浮遊させてみると、新しい価値が見出されます。テーブルに並ぶ石ころはどこにでもある石。もちろん触れてもOK。自分の身にしっくりとくる石を見つけてみてください。

「キュッパのびじゅつかん―みつめて、あつめて、しらべて、ならべて」は、7月18日から10月4日まで開催中。

7月20日(月・祝)には、オーシルさんのサイン会が開催されます!ミュージアムショップで対象商品を購入された方はぜひ!詳細⇒http://www.tobi-museumshop.com/blog/150717-2.html

レストランではキュッパメニューがスタート。キュッパグッズが並んだミュージアムショップでは展覧会限定グッズもお見逃しなく!


ノルウェーから東京・上野へ!
キュッパのびじゅつかん―みつめて、あつめて、しらべて、ならべて
Kubbe Makes an Art Museum - by seeing, gathering, studying and exhibiting
会期:2015年7月18日(土)~10月4日(金)
開室時間:午前9時30分~午後5時30分まで(入室は閉室の30分前まで)
休室日:月曜日、7月21日(火)※ただし、7月20日(月・祝)、9月21日(月・祝)は開室
会場:東京都美術館 ギャラリーA・B・C
観覧料:一般800円、団体(20名以上)600円、65歳以上500円、学生400円 ※高校生以下は無料
東京都美術館展覧会サイト:http://www.tobikan.jp/exhibition/h27_kubbe.html
特設ウェブサイト:http://kubbe.tobikan.jp/


●お・ま・けショット @東京都美術館●
オープニングセレモニーでは、軽食や飲み物が振舞われました。サーモンにはクリームソースというイメージでしたが、ベリーソースもさっぱりといただけて新鮮でした(右下)。キュッパが集めそうな小枝に見立てたものや、芝生のように見えるバジルとアーモンドのクリームディップは、クラッカーですくっていただきます。また、まるで土のようなチョコレートのスイーツなど、工夫を凝らした楽しいフードがずらり!

   
 
  


(2015年07月23日更新)
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