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1852年創業「エクベリ」シェフが伝授!フィンランド料理教室レポート!




フィンランド・ヘルシンキの人気カフェ「フルーリスト」に続き、創業1852年、今年で163周年となる有名店「エクベリ(Ekberg)」から、ヤニさんとセルゲイさんのシェフ2人と、エクベリ5代目の看板を背負うマーティンさんの3人が来日し、自由が丘にあるスタジオ「クオカ」にて、料理教室が開催されました。

マーティンさんによると、エクベリは、スウェーデン・ノルウェー・フィンランドを含めて最も古く、歴史のあるお店。日本にも縁があり、さまざまな食材を取り揃える紀ノ国屋に並ぶライ麦パンはエクベリのレシピのものだそうです。エクベリではもう販売していないそうなのですが、エクベリではライ麦100%、紀ノ国屋のものはライ麦80%、小麦20%の配合。初来日のマーティンさん、今回初めて紀ノ国屋のライ麦パンを食べてみたところ、「とても美味しかった!」とおっしゃっていました。

エクベリではそのときの旬のもの、季節にあわせたものを提供するそうで、7~8月ならブルーベリーケーキ、今の時期ならリンゴ。冬はチョコレートが人気で、春夏はヨーグルトやフルーツを使ったさっぱりとしたお菓子が人気だとか。「すべてはお客様のため。お客様にベストなものを提供したい」とマーティンさん。

普段は地元の食材を使うようにしているので、今回の料理教室でも日本にある近いものを使ったレシピを考えてくれたそうです。


右からセルゲイさん、マーティンさん、ヤニさん。通訳を担当した田内さんはプロの料理教室の先生。

エクベリの料理教室は2日間。初日は「フィンランド伝統の菓子・パン」と題して、一部は、モルトブレッド・サーモンオープンサンド・ブルーベリーパイ。二部はシナモンロール・カレリアパイの実習でした。2日目は、「エクベリのカフェメニュー」というテーマで、魚を詰めた珍しいカラクッコというパン、リーキとポテトのタルト、ルーネベリタルトの3品。この日の手順は、まず焼き時間のかかるカラクッコから取りかかり、次にリーキとポテトのタルト、ルーネベリタルト、最後に焼きあがったカラクッコの仕上げという形で進みました。



包んで、じっくりと焼き上げる
食材を豪快に包んだ「カラクッコ」

全粒粉の生地を広げ、魚・ラード・魚・ラードと順番に積み重ね、その都度、岩塩のような粗めの塩をふっていきます。(フィンランドからシェフたちが持参していました)それにしても、このビジュアルだけでも迫力満点!

フィンランドでは「ムイック」という魚を使うのですが、この日は近い淡水魚「ワカサギ」を使いました。ちなみに、淡水魚でないと、味が強すぎるそうです。また、ラードは、ちょっぴり肉付きのものがいいそうです。

具材が準備できたら、周りから生地を折りたたんで包んでいきます。この作業、まるで焼き物を作っているかのよう!「生地のヒビや切れ目を埋めてくださいね。バターナイフを使うといいですよ」と、仕上がりのポイントになるコツを丁寧に添えてくれるセルゲイさんとヤニさん。



カラクッコは全部で2時間以上も焼くという長丁場。途中で2度ほど出して、溶かしバターをたっぷりと!実はこの料理、フィンランドでは高価なものだそうです。「材料も贅沢に使っているし、なんといっても手間がかなりかかるよね」とセルゲイさん。

このカラクッコ、たとえば、湖に釣りに行くときに持っていくようなパンで、紙で包み、その上からさらにブランケットで包むと、数時間ほど温かいままなのだとか。外であったかいパンが食べられるなんて素敵です。



焼きあがったカラクッコにワクワク。「上を丸くくり抜いて、魚を先に食べるという食べ方もあるけど、こうして輪切りにして食べる方法も」と、今回は豪快にザクザクと輪切りにして取り分けてくれました。本来はもっと冷まして切るそうですが、柔らかくて、かなり切りにくそうなシェフたち(笑)。ほんのり優しいあたたかさで、魚はホクホク。一切れいただいただけで、お腹いっぱい!これはかなり腹持ちが良さそう。釣りやアウトドアに最適というのもわかります。



ジャガイモをたくさん食べる
フィンランドらしさ満点のタルト


2品目は「リーキとポテトのタルト」。今回はリーキの変わりに、日本でもよく使う長ネギで作りました。このタルトのポイントは生地にあり。とってもなめらかな生地で弾力もあります。本来なら、タルト生地にクワルク(フレッシュチーズの一種)を入れるのがフィンランドならではの伝統だそうですが、水切りヨーグルトなどでもOKだとか。「フレッシュチーズのようなクセのない乳製品」が良いそうで、サワークリームだと脂肪分が多すぎるので注意。

また、もう一つのポイントは、型に入れないタルト、ということ。「この生地で型に入れるお菓子もあるけど、この料理は入れない」と、これがこのタルトの伝統的な作り方だそうです。



仕上がりはこちら!「リーキだともう少し緑の部分が見えて断面がキレイですよ」とシェフ。とっても香りもよくて、シンプル。お腹がいつも空いている子供たちのおやつや朝食にもぴったり。生地も主張が強くないので、どんな具材にも合いそう。



国民的詩人が愛したスイーツに、
残ったシナモンロールで作ったおやつも登場

3品目は「ルーネベリタルト」。こちらは、エクベリ店頭でも並んでいるフィンランドの伝統的なお菓子。シェフたちがすでに生地を焼いて、一晩シロップに漬けたものを、デコレーションする半実習でした。真ん中にラズベリージャムを乗せ、フォンダン(砂糖と水あめ)でジャムのまわりをぐるりと描きます。

フィンランドの有名な詩人、ユーハン・ルードヴィーグ・ルーネベリが好きだったお菓子で、妻フレデリカが、甘いもの好きの夫のために焼いていたといわれています。伝統的なルーネベリタルトは、シロップに漬けた、生地がしっとりとしたタイプだそうですが、シロップに漬けない乾いた生地のものもあるそうです。ちなみに、エクベリでは、後者のほうを「ルーネベリタルト」と名付け、前者を妻の名前にちなんで、「フレデリカ」というそうです。みんなでルーネベリタルトを食べて祝う日は2月5日。

この日、嬉しいサプライズが!
前日の実習で作って残ったシナモンロールを使ったおやつまで教えてくれました。



少し深めの焼き皿に、残ったシナモンロールをちぎって敷き詰めます。そこにラズベリーソースをかけ入れ、またシナモンロールを詰めていきます。卵・砂糖・カルダモン・牛乳を混ぜた液を皿の中に流し入れ、焼きます。「イメージとしては、『パンプディング』のようなもの」とのこと。かなり甘いかも?!と想像していましたが、これまた意外とペロリ(笑)これに、バニラソースやアイスをかけていただくことも。

さらに、シェフお手製のスペシャルドリンクも登場!「コティカリア(ホームビア)」と呼ばれる、ランチタイムにいただく飲み物。これ、食事にあう!あると、食事が進みます。不思議!



かなり想像の上の上をいく盛りだくさんな内容で、いろんな国の料理教室に参加しているという生徒さんの一人も、フィンランドの料理に興味津々。「フィンランドの味、私合うかも!」と目を輝かせていました。

「80年代、90年代に、日本の2つの企業からオファーをいただきましたが、同じクオリティのものをご提供できるか、自信がなかったのです。また日本に来るかもしれません。ヘルシンキに来られたときにはぜひ!ご案内しますよ」と、エクベリ5代目のマーティンさん。

「日本のビールが好き」というマーティンさん。元々日本に興味があったようですが、京都にも足を運び、すっかり日本の虜に。またエクベリの美味しいフィンランドの味に触れるチャンスが来るかも?!

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(2015年10月13日更新)
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