狭い部屋や古い家を変身させる方法を提案し、これまで1,200件以上のインテリアを手がけてきた、インテリアプロデューサー/空間収納デザイナーの香取美智子さん。
近年、北欧の一般家庭を数多く訪れる機会がある香取さんは、日本の方々にも「実際に目で見て、触れて、感じてもらいたい!」と願うようになり、北欧ツアーを企画(11/25~12/1)。訪れるのはスウェーデンとデンマーク。北欧の一般家庭のお家やデザイナーのアトリエ・自宅をめぐるスペシャルな内容です。(残席1名。ツアー詳細は記事の最後に!)
なぜ、北欧のお家は素敵なの?いったいどんなところが?
全4回にわたり、香取さんが北欧から学んだ知恵やアイデアをシェアしてくれます。
【連載vol1】北欧のおしゃれブランケットで、お部屋を秋色・模様替え(全4回)
【連載vol2】北欧スウェーデンから学ぶ心が優しくなる暮らしの工夫(全4回)
【連載vol3】北欧スウェーデンから学ぶ「ちょうどいい」暮らし(全4回)
第3回目の連載では、モノの持ち方、モノに対する北欧の人々の考え方を教えていただきました。お部屋がいつもスッキリしているのは、モノの持ち方にメリハリがあって、自分に合った「ちょうどいい」暮らしをしているからなんですね。
いよいよ最終回となる第4回目は、ちょっと北欧を移動して、デンマークでのお話。『世界一しあわせな国北欧デンマークから学ぶ「心豊かな」暮らし』をお届けします。
こんにちは!インテリアプロデューサーの香取美智子です。
世界幸福度ランキング1位にその名が上がることが多い北欧デンマーク。なぜ彼らは、幸せ!と感じることができるのでしょうか?連載第4回目は、その秘密に迫ります。
■しあわせを感じられる秘密。それは「ヒュッゲ」にある
世界一幸せな国と評される北欧デンマーク。それは、国連が毎年発表している「世界幸福度ランキング」で1位にその名が上がることが多いから。デンマークは教育費や医療費が無料など、高福祉なことで有名ですが、「それが幸福度1位の理由ではない。その根源は、ヒュッゲ(Hygge)を大切にしているからではないか」とデンマークの人たちは口をそろえて言います。ヒュッゲとは、人と触れ合い、お互いにいい時間・空間を分け合うことで生まれる心地いい空気感・・・といったところでしょうか。他の国の言語では置き換えられないデンマークの感覚、価値観です。
■仕事以外の時間を大切にしている
この考え方があるから、仕事も「生きるために働くのであり、働くために生きるのではない」というスタンス。仕事以外の時間を大きく分けると2つのことに使っています。ひとつめは、家族や仲間など、大切な人と交流する時間。ふたつめは、趣味を通して自分と向き合う時間。主に運動や陶芸、手芸などをして過ごすのだそうです。モノづくりが好きなところは、なんだか日本人と似ていますね。
■ヨーロッパでもトップクラスのワークライフバランスを実現
このような時間をもつことで、心身ともにエネルギーチャージができ、翌日からエネルギー満タンな状態で仕事ができる。また仕事に集中できるという好循環が生まれるのだとか。事実、デンマークは1週間の就業時間が37時間と決められていて、最近では35時間を達成することもあり、ヨーロッパでもトップクラスのワークライフバランスを実現しています。単純計算したら月~金曜の5日間勤務で、朝9時に出勤し、夕方17時に退社(休憩時間1時間)できるわけです。
だからといって、仕事の手を抜いているわけではありません。相当集中しなければならないし、仲間との連携も必要になってきます。彼らから見ると、日本人の仕事の仕方はとても生産性が悪く見えるのだそうです。
■「自分と向き合う時間」もちゃんともつ
ただ、デンマークもこのワークライフバランスを最初から実現できていたわけではありません。自分たちの声を積極的に伝えていくことで実現してきたのです。デンマークでは、自分の意見をもつことが重要視されています。デンマーク人が手芸や陶芸などと対峙する感覚は、日本人の華道や茶道などの『●●道』の感覚に近いものがあり、これらの趣味を通して、自分と向き合う。ある時は、家族や人との交流の中で、意見交換をする。そうすることで、「自分」というブレない軸をもつことができ、それと同時に考え方の違う他人を受け容れることができるようになるのですね。この両方のバランスがちゃんととれているから、心の平穏を保つことができるのかもしれません。
■心豊かな時間には「心地いい空間」も必要不可欠
そして、その時間を「心地よく」過ごせるよう、空間にも工夫をしています。彼らが日本と一番異なるのは、あかりの使い方だ、と口々に言います。日本は真っ白な蛍光灯で部屋全体を明るく照らそうとするのがまだまだ一般的です。彼らはスポットを照らす。特にコツは「人のいる場所だけを照らすこと」。すると人の周りに必ず影がうまれます。この陰影があるからこそ、空間に温かみが生まれるのです。また、この影を暗い、怖い、不便と捉えるのではなく、彼らは「暗さは慣れるもの。暗さの中で想像する力が養われる」と捉えます。
部屋全体を照らそうすると、明るさが分散して、人は必要以上に照度(人間か感じる明るさの度合い)をとろうとしてしまいます。現代の私たちは過度の明るい光のシャワーを浴び、知らず知らずのうちにストレスを感じたり、体調不良の原因をつくっている・・・って知っていましたか?実は自分の周りや、壁などのスポットをあかりで照らした方が少ない照度で人は十分に明るさを感じることができます。そして、空間に余韻が生まれ、それが心を落ち着かせたり、満たしたりしてくれるのです。
いかがでしたか?日本は世界的に見ても、とても恵まれた国と言えます。それでも世界幸福度ランキング53位と低いのは「幸せを見極めるチカラ」が弱く、「幸せを感じる心」が鈍っているだけなのだと思います。
ぜひ、この「心豊かな暮らし」を実際に目で見て・触れて・感じて欲しい――その願いから、北欧ツアーを特別に企画しました!構想からリリースまで2年。北欧スウェーデンとデンマークの一般家庭のお宅やデザイナーのアトリエ・自宅を訪問するスペシャルな旅です。
私、香取も同行いたします!現地の方との交流や私のお話を交えながら、「Hygge」な時間と空間の使い方を体験。自分の「心地いい」ポイントに気づき、幸せ感度を上げるきっかけになっていただければと思ってつくりました。ツアーは11/25~12/1。ちょうどクリスマスアドベントがはじまる時期で、クリスマスの雰囲気やクリスマスマーケットも楽しんでいただけます。
おかげさまで大好評で残席1名となっています。お申込みの〆切は10月20日まで。プレツアーのイベントも10月22日(土)長野県上田市で開催されるセミナーで最後になります。
▼お問い合わせ・お申込みはこちら!
╲ 開催決定!残席1名╱
ツアータイトル『素敵な私になるクリスマスの旅~北欧のインテリアから感じる幸せなライフスタイル』(11/25~12/1)
北欧旅行フィンツアー:https://www.nordic.co.jp/tour/fp0113/
メール:rsv@nordic.co.jp / 電話:03-3456-3933
▼ツアーパンフレットはこちらからダウンロードしてください。(下記画像を拡大してもご覧いただけます)
<香取美智子さんが講師を務めるセミナーのお知らせ>
実生活にも取り入れられる現地のシンプルな暮らしや素敵なインテリア・収納の工夫を紹介。ツアーのことも直接聞けるチャンスです。
「スッキリ美しく暮らすシンプル収納のつくりかた」
日時:2016年10月22日(土) 14~16時
会場:柳屋建設4F会議室(長野県上田市中央2-13-17)
参加費:1,000円(ワンドリンク・お茶菓子付)
講師:香取美智子
※詳細は、こちらのリーフレット(pdf)をご覧ください。(下記画像を拡大してもご覧いただけます)
<執筆・ツアー企画>
香取美智子(かとり・みちこ) インテリアプロデューサー/空間収納デザイナー
狭い部屋や古い家を変身させる方法を提案し、これまでに1,200件以上を手がける。北欧ライフスタイル型住宅ブランドや独身女性専用賃貸などをプロデュース。北欧を中心に取材・研究を重ね、様々な媒体に発信中。アットホームデザイン代表。http://www.athomedesign.jp/