12月17日より、Bunkamura ザ・ミュージアムで展覧会「マリメッコ展―デザイン、ファブリック、ライフスタイル」が始まりました。
ヘルシンキ・デザイン・ミュージアムの所蔵作品からファブリック約50点、貴重なヴィンテージドレス約60点、デザイナー自筆のスケッチ、時代を創った著名デザイナーのインタビュー映像など、マリメッコの60年にわたる歴史をたどる、国内初の大規模な巡回展です。
ユッカ・サヴォライネン館長
オープン前夜となる16日に、オープニングセレモニーとプレス内覧会が開催され、フィンランド・デザイン・ミュージアムのユッカ・サヴォライネン館長は、「来年はフィンランド独立100周年という記念すべき年。全体のテーマは『together』。マリメッコ展の開催はベストタイミング」と、日本でのマリメッコ展の巡回を喜んでいました。
また、ユッカ・シウコサーリ駐日フィンランド大使は、「幼少時代に住んでいたヘルシンキ郊外の街にも、周りを見渡せばいつも“マリメッコ”のデザインがあった」と、フィンランド人はマリメッコと共に歩んできたと話し、ミュージアム前の屋外での開催となったオープニングセレモニー会場の凍えるような寒さの中、「どうやら、東京でマリメッコ展が始まるのと同時に、フィンランドから寒さまで一緒に運んできてしまったようだね」と、会場の笑いを誘っていました。(この日の気温は、さすがのフィンランド人でも寒いようでした)
オープニングセレモニーの後、静かに展覧会会場内へ移動。目に飛び込んできたのは、目の覚めるような鮮やかなファブリックたち。すぐにわかったのは、テキスタイルの質感や色彩が写真とはまったく違う。細かい絵柄や線などもわかり、マリメッコ・ワールドに引き込まれます。
ハリー・キヴィリンナ氏
フィンランド・デザイン・ミュージアム学芸員のハリー・キヴィリンナ氏によるギャラリートークでは、まず、マイヤ・イソラが手がけたマリメッコのアイコン「ウニッコ」誕生エピソードについて。
当時は花柄がとても流行っていたため、創業者のアルミ・ラティアは、あえて、「花柄はダメ!」と、デザイナーに花柄禁止令を出していたにもかかわらず、マイヤは堂々と、しかも大きな花柄を作ってアルミに見せたといいます。「クリエーターというのは、ダメといわれたものをやりたくなるんですよね」とハリーさん。アルミが反対したはずのこの花柄が「ウニッコ」。今日でも愛され続けているのはご存知のとおり。
マリメッコのデザインを手がけた歴代デザイナーの中で、ヴォッコ・ヌルメスニエミは、カッティングを最小限にしたシンプルなデザイン。とにかくプリント柄をきれいに前面に出すことを意識しました。ユニセックスで男女問わず着ることができるシャツは、カラーバリエーションもあり、多くの人々に受け入れられている、まさにユニフォーム的存在。特に、デザイナーや建築家といったクリエーションに携わる人々に好まれていました。
脇阪克二さん、石本藤雄さんが日本人を代表するマリメッコのデザイナーとして紹介。80年代、石本さんのデザインは大変な人気を誇りました。その時代に、はるばる北欧・フィンランドの会社に所属していた日本人デザイナーです。なんとこの日、ちょうどフィンランドから帰国されていて、会場に姿を見せた石本さん。オープニングセレモニー前に、本屋さんをウロウロしていると、隣に石本さんが!少しお話させていただくことができました。会場では映像で、図録の中でもインタビューが掲載されています。
ミュージアムショップでは、フィンランドの雑貨やアクセサリー、マリメッコのペーパーナプキンから、ハンカチやポーチ、ウニッコ柄をまとった展覧会図録などずらりと並んでいます。たくさんの絵が並んでいるはずなのに、ゴチャゴチャとせず、あたたかな空間を演出できているところが不思議であり、それが魅力でもあります。
数々の貴重なヴィンテージドレスも見ごたえ十分。カラーサンプルやスケッチなど、デザインが生まれる過程を感じることができる展示も必見です。
「マリメッコ展―デザイン、ファブリック、ライフスタイル」(東京会場)は、2017年2月12日(日)まで、Bunkamura ザ・ミュージアム(渋谷)にて開催中。
マリメッコ展―デザイン、ファブリック、ライフスタイル(東京会場)
会期:2016年12月17日(土)~2月12日(日) ※1/1(日)のみ休館
開催時間:10:00~19:00(入館は18:30まで)
※毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)、12/31(土)を除く
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
特設サイト:http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/16_marimekko/
主催:Bunkamura、フィンランド・デザイン・ミュージアム、朝日新聞社
協賛:こだま印刷
後援:フィンランド大使館
協力:Visit Finland(フィンランド政府観光局)、フィンエアー、フィンエアーカーゴ
入館料(消費税込):一般1,400円、大学・高校生1,000円、中学・小学生700円
展覧会公式HP:http://marimekko-exhibition.jp/
※Bunkamura ザ・ミュージアムの後は、新潟県立万代島美術館(2017年3月4日(土)~2017年6月11日(日))へ巡回予定。
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