Artek Tokyo StoreとオンラインショップのArtek Webstoreにて同時開催中の「鈴木マサルの傘 10周年」。テキスタイルデザイナーの鈴木マサルさんが、雨の日でも気分が晴れやかになり、持ち歩くことができるテキスタイル、「傘」に携わって以来、10年となる節目の記念すべき展示イベントです。
Artek Tokyo Store店内の天井に、アンブレラスカイのように吊るされたカラフルな鈴木さんの傘たち。ディスプレイされていたのは、昨年のデザインと今年の新作。面白いことに、昨年あまり人の目に留まらなかったのが今回人気というデザインもあったりするそうです。常にフレッシュな気持ちにさせてくれるのも、鈴木さんのデザインの特徴かもしれません。
来場した人は、思い思いに傘を開いて、まるで洋服のように、鏡に向かって笑顔で“試着”されていました。 広げてみて初めてわかるカラー、配色、重なりあっている部分。広げて見上げると、鈴木さんの絵のタッチがよくわかる傘の裏側も楽しめます。
鈴木さんの傘には、たいてい動物の名前がついていますが、実は動物からイメージするというよりは、まず、色の配置を意識し、そこからイメージして、動物の名前が付けられているらしいのです。
また、色の組み合わせ方も見どころ。鈴木さんの絶妙なカラーバランスにはいつも驚かされます。10年振り替えって、case galleryの展示で注目を集め、そしてスパイラルの展示をきっかけに、いくつかの大手ブランドから声がかかり、コラボレーションも実現。感慨深げに傘たちを見上げていた鈴木さんが印象的でした。
今回は、Artek Tokyo Storeとのコラボレーションで、鈴木さんがデザインしたした「スツール 60」や「115 傘立て」も誕生。手がけるにあたり、「アルテックから声をかけてもらい、嬉しかったし、とても楽しかったです」と笑顔。それでも、絶妙な色バランス、配色には苦労したようです。
スツールも傘立ても、「実物に色味の近いインテリア用のマスキングテープを巻きつけてイメージを膨らませました。平面で考えていたのと、実物で色を付けてみるのとでは、全く違っていました。結果、良いものが出来上がって満足です」と鈴木さん。傘とともに、渾身のスツールと傘立てにも注目してみてください。
陶器の鳥は5種。あとの“4羽”は1階入口に並んでいます。
さらに、Artek Tokyo Storeの会場には、鈴木さんがデザインしたラプアン カンクリのタオル類、鈴木さんが手掛けた陶器の鳥のオブジェ(5種)も並んでいます。また、過去にフィンランドで製作したテキスタイルが、Artek Tokyo Storeの1階から地下1階まで、吹き抜けになっているスペースに美しくディスプレイされています。
もう“1羽”は、地下フロアにいます。
色に想いを感じる、色づかいのエキスパート。真摯な仕事ぶりと、気さくで温厚な人柄で実績を積み上げてきた鈴木マサルさん。ムーミンバレーパークのアンブレラスカイやバルーンスカイなど、テキスタイルの他に、空間を一から作るという新しい試みにもチャレンジ中。今後の活動にもますます目が離せません。
「鈴木マサルの傘 10周年」は、10月19日まで。
鈴木マサルの傘 10周年
会場:Artek Tokyo Store & Artek Webstore
東京都渋谷区神宮前 5-9-20 1F・B1F
https://webstorejapan.artek.fi
会期:2020年9月16日(水)~10月19日(月)火曜定休
※定休日の変更や Artek Webstoreのみでの開催になる場合あり。
※来場の際は、https://webstorejapan.artek.fi 又は
https://www.facebook.com/masarusuzukitextile にて確認の上、来場ください。
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<会場フォトギャラリー>
折りたたみタイプも。広げ出すと、あれもいいな、これもいいなと、迷宮入り必至。