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【デザイン】都内にリトル・フィンランド現る!?メッツァ・パビリオン、ついにお披露目へ




東京都港区にある駐日フィンランド大使館敷地内に、フィンランドを体感できる2階建てのMetsä Pavilion(メッツァ・パビリオン)が、10月6日(火)、正式にオープンしました。

10回再建築できるというサスティナブルな木造建築が特徴のメッツァ・パビリオンは、今年の春にかけて工事が行われ、夏には予定通り完成。パビリオンの建設は、フィンランド史上最大規模の輸出キャンペーンとなっており、2021年末まで15カ月間運営される予定。フィンランドの様々なプロモーションに活用されます。

先日行われたプレス発表会では、フィンランド・ヘルシンキの人気サウナ施設「ロウリュ」から中継で繋がり、また、ヴィッレ・スキンナリ  フィンランド開発協力・外国貿易大臣や、 ニーナ・コポラBusiness Finland CEOは、ノキアによる最新5G技術を使ったホログラムでの出演を果たし、会場を驚かせました。


ホログラムで登場したBusiness Finland CEOのニーナ・コポラ氏。
Photo by Petri Asikainen for Business Finland


登壇したペッカ・オルパナ駐日フィンランド大使は、「フィンランドの一部を東京に持ってきました。よりいっそうフィンランドを身近に感じてもらえるよう、そして両国の特別な関係が一層深まり、将来の課題に一緒に取り組むことができたら嬉しい。パビリオンを訪れた来場者には、ぜひフィンランドのエッセンス、雰囲気、新しいインスピレーションを感じてもらえたら」と挨拶。

メッツァ・パビリオンを作ることになったのは、東京オリンピック・パラリンピックの開催に合わせて、「フィンランドの存在感を高める、何か特別なものを作りたい」という考えからスタート。フィンランドのプロモーションとしてアジア地域で最大ものになるそうです。


日が暮れると趣のある雰囲気に。Photo by Petri Asikainen for Business Finland


焦点となるのはビジネスプロモーション。フィンランドのライフスタイルや文化を紹介するイベントや展示会も開催される予定。また、オリンピック・パラリンピックの期間は、「Home of Finland」と称して、代表チームのプレスセンターとしての役割やパートナーハウスとして機能する予定だそう。

オリンピック・パラリンピック以外の期間は、バイオ、循環経済、エンターテイメント、フード、デザイン、ライフスタイル、ヘルス、ICT、デジタル、トラベルといった多岐にわたる最新トレンドや技術を紹介するテーマのイベントが開催されます。完全事前登録制で、一般も参加できるイベントやプログラムも企画される予定。



古い車庫を使って建てたユニークな建築
フィンランドと日本を結ぶ拠点に


メッツァ・パビリオンの建築デザインは、建築家ペッカ・ヘリン氏率いる「Helin&Co」が担当しました。フィンエアー本社やノキア本社、ユヴァスキュラ空港等を手掛け、多数の賞を受賞している建築デザイン事務所です。大使館敷地内にある古い車庫を使って建てたということで、「既存の環境と建築物の調和」、「サスティナブルで印象的な建築」といった同事務所の特徴が存分に生かされたデザインになっています。

また、インテリアデザインを担当したのは、インテリアデザイナーのウッラ・コスキネン氏。フィンランドを代表するブランドのアルテックやマリメッコのデザインチームでクリエイティブ部門を担当した経歴があり、数々の企業との実績を持つ世界的インテリアデザイナーです。

メッツァ・パビリオンのメッツァは「森」という意味。木造建築は森の香りを保つと同時に、保温性にも優れています。木材はフィンランドのトウヒ。管理の行き届いたフィンランドの森林からやってきました。メッツァ・パビリオンの後はどこに行くか、まだ決まっていないようですが、ここでの役目が終わっても、10回再建築できるというサスティナブルな木造建築です。


1階には、フィンエアーとノキアのショールームあり。サウナ関係企業提供によるサウナフォトスポットも。


インテリアは全て、メイド・イン・フィンランド。スタッフが着ているユニフォームも、フィンランドのサスティナブルなファッションブランド「Pure Waste Textile」のものだそう。飲食イベントが開催される際は、イッタラの食器で提供するなど、これからの15カ月の間、メッツァ・パビリオンはフィンランドの“名刺代わり”となり、両国を結ぶ拠点となります。



10月12日まで、最新デザインを紹介する
「ワイルド・アット・ハート展」開催中


パビリオン2階では現在、現在フィンランドで活躍するデザイナーたちのプロダクトを紹介する「ワイルド・アット・ハート展」が開催されています。

同展は、ブダペスト、ストックホルム、ヘルシンキを巡回し、日本が最終地。メッツァ・パビリオンで行われたプレス内覧会では、デザイナーでキュレーターを務めたテロ・クイトゥネン氏や、同展のパートナーであり、北欧最大級の家具・インテリア装飾・デザインのイベント「ハビターレ」(※)のクリエイティブディレクター、ラウラ・サルヴィリンナ氏が、それぞれ、ヘルシンキとストックホルムからオンラインで参加しました。

(※)ハビターレ:北欧最大級の家具、インテリア装飾、デザインのイベント。今年50周年となる記念の年だったが来年に延期となり、2021年9月15日~19日の開催が決定。展示設計は、日本でもよく知られるイルッカ・スッパネン氏。コンテンポラリー・フィンランドデザインのデザイナーの一人で、現在はミラノとヘルシンキを拠点に国際的に活躍している。


「ワイルド・アット・ハート展」のキュレーターを務めたテロ・クイトゥネンさん。


展覧会のタイトル「ワイルド・アット・ハート」には、フィンランド人のシャイで控えめな性格とは裏腹な、心の奥底にある情熱的な一面を知ってもらいたいという想いから名付けられたそうです。

「ありのままの美しさ」「社会的影響」「ワイルドなユーモア」の3つのテーマで構成されており、アルヴァ・アアルトやマリメッコ、イッタラといった歴史のあるデザインだけではない、ワイルドでカラフルでユーモアのあるコンテンポラリーなフィンランドデザインを紹介したいと企画されたもの。

展示されているのは、20代から80代の現役で活動しているデザイナーによる作品。できるだけ幅広いジャンルのデザインを取り上げることを意識し、エコロジカルで、デザイナーが直接手掛けているものが選ばれています。

「オープンな世界を経験している世代になってきた。控えめな時代からカラフルな時代。その背景には、自由に色んなところへ旅行ができるようになったからだと思う。自らプロデュースしなければならない」と、「ハビターレ」のクリエイティブディレクター、ラウラ・サルヴィリンナ氏は、現代の作品に明るい色彩のものが増えた理由をこう話しています。

「作り手の情熱、心からの喜び、ハッピーになってほしいという想いが込められているもの。時代的にそれがとても必要とされていると思う」とテロさん。「フィンランドデザインはミニマムで色彩が抑えられたものというイメージが(世界的に)強い傾向があるけれど、自然と調和するミニマムな側面の他に、カラフルで遊び心に満ちた側面もある。その両方を見せたい」とのこと。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょう。

メッツァ・パビリオンで開催中の「ワイルド・アット・ハート展」は、10月12日まで!

<会場フォト(展示一部)>

ミフコ
キオンド バスケットとバッグ 2009年 サイザル麻、紙、プラスチック、シュロの葉、皮/トゥルカナ パーム バッグ 2019年 サイザル麻、紙、プラスチック、シュロの葉、皮

チュリ=ティティ・コイヴラ
コレクション2018 コットン ヴェルヴェット、ウール、ビニール袋、チュール、ポリ塩化ビニール

COMPANY(アム・ソン、ヨハン・オリン)
ダンスシューズ 2007年 ウール フェルト/マッシュルームスツール 2007年 白樺/FIN/JPNフレンドシップコレクション 2019年 ハンドメイド セラミック、砂色マット釉

左:テエム・サロネン チャイニーズ レストラン ランプ シリーズ 2019年 セラミック、LEDライト
右:エーロ・アールニオ パスティル チェア 1967年 グラスファイバー

左:ソフィア・オッコネン ローズ写真シリーズ 2016年 顔料プリント、額縁 リミテッド・エディション
右:テロ・クイトゥネン マラケシュ・テーブルミラー 2019年 スリップキャスト・テラコッタ、Mdf、チョークペイント、鏡、真鍮

クラウス・ハーパニエミ
ダイアモンド・ドレス/ノートルダム着物(ポーラー・ビザンチン・コレクションより)2020年 100% シルクサテン

<インフォメーション>

■ワイルド・アット・ハート~
フィンランドのモダンデザインとアートのコレクション
会期:2020年10月2日(金)~12日(月)
会場:メッツァパビリオン Metsä Pavilion 2階(フィンランド大使館内)
東京都港区南麻布3-5-39
開館時間:平日10:00~18:00(10/8は12:00~20:00)土日11:00~17:00
入場無料、要予約(※12歳未満は予約必要なし)
詳細:http://www.finstitute.jp/ja/2020/08/31/wild-at-heart/

■メッツァ・パビリオンで開催される展覧会・文化行事(一般参加可能)
10月1日(木)~12日(月) ワイルド・アット・ハート展
10月20日(火)~11月1日(日) 陶器展
10月20日(火)・27日(火) フィンランドダンスコース
10月30日(金)・11月2日(月)・3日(火)・6日(金) スウェーデン系フィンランド人文化ウィーク
※6日はザリガニパーティー
11月10日(火) フィンランドダンスコース
11月21日(土) ・22日(日) VISIT FINLAND
※11/16~22はトラベルウィーク。11/21と22はオープンデー
11月23日(月・祝) フィンランドを体験しよう!
※モルック、フィンランドタンゴ、音楽、ダンス、フィンランドの味などを体験
11月27日(金)~12月8日(火) サウナ展
12月19日(土) フィンランドのファミリーライフ

■Tokyo 2020 Metsä Pavilion

HP:https://www.businessfinland.fi/ja-jp/tokyo2020
Facebook:https://www.facebook.com/homeoffinland

▼メッツァ・パビリオンとは?
駐日フィンランド大使館敷地内に、東京2020オリンピック・パビリオンが出現



(2020年10月08日更新)
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