家具職人のアンダース・タムス(Anders Thams)さん(左)、建築家のニコラス・オールドロイド(Nicholas Oldroyd)さん(中央)、同じく建築家のマーティン・ドゥ・ネアガード・クリステンセン(Martin D. Christensen)さん(右)。
11月2日(水)から4日(金)まで、デンマーク・コペンハーゲンのデザインスタジオ「MOEBE(ムーベ)」の世界が体験できる「World of MOEBE」展が、3日間限定で六本木・AXISギャラリーにて開催されました。気になっていたけれど、見に行かれなかった……という方のために、本日は、会場レポートをお届けします!
ムーベは2014年に創業。2人の建築家と1人の家具職人による、緻密な構造とミニマリズムを追求するデザインスタジオです。建築的な思考に基づき、徹底的に考え抜かれたシンプルで美しいデザインを目指し、すべて自社で設計を行っています。
ハッとさせられるシンプル&ミニマムな、ムダを省いた構造とデザインに、日本でもじわじわと注目を浴び、知らず知らずのうちに手にしていたというファンも多いのだとか。
アクリル板と枠材をラバーバンドで固定するだけの「フレーム」。
最も代表的なものに、アクリル板と枠材をラバーバンドで固定するだけの「フレーム」、くさびで棚板を固定するだけの「シェルビングシステム」があります。これらは一度は見たことがあるという人もいるかもしれません。今後のデンマークデザインを担う存在として、現在、国内外で非常に評価されているデザインブランドです。
現在15人以上のスタッフを抱えるムーベは、創業者である建築家のマーティン・ドゥ・ネアガード・クリステンセンさんとニコラス・オールドロイドさん、そして、家具職人のアンダース・タムスさんが待望の初来日。
プレスプレビューでは、彼らの代表作の一つ、「シェルビングシステム」の実演を見せていただきました。実演は、ムーベの3人の誰かが代表して行うのかと思って待っていたら、日本のスタッフによって、あっという間に組み立てが完了。(組み立ては2人でやったほうが良いそうです)
開いている棚板の穴に棒を4つ挿し、平行になっているかを水平器(水準器)で確認。穴と棒の部分にくさびをかませて、木槌でトントンと打ち込みます。棚板を3枚、4枚と重ねたり、くさびの位置で棚板の高さを変えられるので、自宅や事務所など、ニーズやシーンに合わせやすいのも魅力。
組み立ての様子をそっと見守っていたムーベの3人。まなざしが優しい。
会場の展示は、まず、ムーベ誕生ストーリーや彼らのデザイン哲学、最新作が紹介され、奥に進むと、インテリアスタイリストの作原文子さんによる子ども部屋、キッチン、リビング、日本と北欧を融合した「Japandi」スタイルなど、シーンに合わせた素敵なスタイリングが披露されていました。狭いスペースにも関わらず、シェルビングシステムがドーンと置かれていても、圧迫感を感じないのも嬉しい。結構たくさんのモノがあっても、すっきりと見えます。
「良いデザインとは、それ自体がサステナブルである」という信条を持ち、簡単にリペア、組立、リサイクルできるパーツで構成されているのも特徴的。また、プロダクトのデザイン性だけでなく、デザイン哲学やものづくりに対する姿勢なども高く評価されています。
1週間ほどの日本滞在だったようですが、毎日お仕事でも楽しくて仕方がないといった様子でした(笑)。東京ではちょうどアートイベントが開催されていた時期ということもあり、「今日はどこ行こう?」と3人でワクワクしながら連日のように出かけていたとのこと。
ニコラスさんにお話を伺うと、「今回はビジネスで東京しかいられないけれど、もっと色々見てみたいし、日本の郊外にもぜひ行ってみたい」と、すでに次回の来日が待ち遠しい様子でした。
下記のフォトギャラリーで、会場の模様や、新作を紹介しています。今後のムーベにもぜひ注目してみてくださいね。
「World of MOEBE」展
会期:2022年11月2日(水)~4日(金) ※終了
会場:AXISギャラリー(東京都港区六本木5丁目17-1 AXISビル4F)
時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)
https://moebe.dk/
https://nomadinc.jp/brand/moebe
▼MOEBE関連記事
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<フォトギャラリー>
ムーベ誕生ストーリーや彼らのデザイン哲学、最新作を披露。
デザインプロセスの中で生まれたスケッチやプロトタイプの展示①
デザインプロセスの中で生まれたスケッチやプロトタイプの展示②
World of MOEBE展で発表された新商品①:Bed
人生最後に購入するベッドとしてデザイン。スチールフレームを使用し、横幅を90~180cmに拡張が可能で、どんなサイズのマットレスでもフィットするように設計されたベッド。オプションで、ベッドサイドテーブルを右側にも左側にも装着可能。ライフステージや引っ越しの際も手放すことなく、サイズを拡張しながら長く大切に使えることができます。
World of MOEBE展で発表された新商品②:Wall Shelving
人気のシェルビングシステムを壁に応用したシリーズ。床置きタイプのものよりも奥行きを短くし、すっきりとした印象に。
インテリアスタイリスト作原文子さんによるスタイリング①
インテリアスタイリスト作原文子さんによるスタイリング②
インテリアスタイリスト作原文子さんによるスタイリング➂
子ども部屋、キッチン、リビング、日本と北欧を融合した「Japandi(ジャパンディ)」スタイルなど、シーンに合わせた素敵なスタイリングが披露されていました。ニコラスさんとお話している中で、やはり現地デンマークでも、和テイストを取り入れるジャパンディスタイルは非常に人気のよう。近年、ムーベのミラーは日本でも人気。こちらの縦長のミラーは、和室に飾られているような掛け軸を参考にしてデザインされたものだそう。