2012/09/21

【特集】全国巡回展「フィンランドのくらしとデザイン-ムーミンが住む森の生活」(静岡)

全国巡回展
「フィンランドのくらしとデザイン-ムーミンが住む森の生活」
The Essence of Finnish Design and Culture
Mythology, Moomin, and People in the Intimate Wilderness
日時:2012年9日1日(土)~10月8日(月・祝)
会場:静岡市美術館(第三会場)


  4月の開催以降、ますます話題の「フィンランドのくらしとデザイン-ムーミンが住む森の生活」。会場は第三会場・静岡市美術館に移りました。2010年に開館したばかりの静岡市美術館は、静岡駅前という、全国的にも珍しい、非常に便利な立地にある都市型美術館です。まだまだ汗ばむ9月半ば、北欧区は静岡へとやってまいりました。宇都宮以来となる、フィンランド芸術作品、ムーミンたちとの再会です。
 
   
   
 
 
 


葵タワー3階にある静岡市美術館。「ウニッコ」柄に変身した専用エレベーターで3階へ。静岡市美術館では、ムーミンが案内役になっており、柔らかなパステルカラーのサインが特徴的。この日、平日にもかかわらず、たくさんの人でにぎわっていました。
   
         
 
静岡市美術館ならではの構造を巧みに使い、テーマ別に小部屋を散歩していくようなつくりになっていました。ムーミンのイラストが愛らしいキャプションが、次の展示内容をアプローチしてくれます。

まずは、【1】フィンランドデザインの黎明-森に育まれたナショナリズムと近代から、①スオミの風景と森のくらしが紹介されています。

 
         
         
  ここでは、作者ごとの展示ではなく、フィンランドの雪景色の絵画が一斉に鑑賞できるよう展示されていました。雪深いスオミの森の景色に包まれ、しばしクールダウン。

展示室のところどころに、ピンクのムーミンの看板に遭遇します。物語に登場するムーミンたちの様子が添えられており、展示を引き立ててくれます。

ここでは、当時のフィンランドの画家たちが繰り返し雪景色を描いているのは、「雪景色がもっともフィンランドらしい風景だから」という内容が解説されていました。


 
         
 
     
 
 
②フィンランド民族叙事詩『カレワラ』、森をテーマにした③「森」と創造-トゥースラ湖畔の芸術コミュニティの部屋をくぐり抜けると、④フィンランド時代のサーリネン建築:1896-1923年の部屋へ。

フィンランドの建築を語る上で外せない、エリエル・サーリネン建築について、ずらりと展示されています。
   
         
         
 
ムーミンの部屋がありました。こちらの展示室は、⑤ムーミン一家の春夏秋冬。ムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソンにまつわる作品が並んでいました。

特徴的なのは、作品のひとつ一つに、どこの物語の挿絵なのかを解説するパネルが添えられているところ。どんなシーンなのかが一目でわかるようになっています。

一角には、ムーミンの関連書籍コーナーがあり、靴を脱いでくつろげるようになっています。白いテーブルにアルテックの柄の入ったクッション。週末は子供たちで大賑わいだとか。平日は大人たちがゆっくりとムーミン作品に浸っていらっしゃるようです。

   
         
         
   
ここからは、【2】フィンランドデザインの黄金時代

ここ①カイ・フランクの部屋では、今でもなお世界中で愛されるグラスやテーブルウェアを、あえてデザイナーの名前を出し、当時の作品と、現行品とを見比べられるような展示になっています。

小さめの独立した展示棚をいくつか使い、できるだけ作品を間近で鑑賞できるよう、工夫されたそうです。
 
   
         
         

 

 
 
         
  すっきりととしたカイ・フランクのテーブルウェアの部屋から、②マリメッコの部屋へ。ランウェイをイメージしたディスプレイになっているそうです。作品ひとつ一つも大変見やすく、思わず、「これ、ください」と言ってしまうような、親近感の沸く空間。入ってくる人の表情がぱあっと明るく、自然と笑顔になってしまうのは、マリメッコの大きな魅力。
     
         


    マリメッコの部屋を出ると、今度はフィンランドを代表する③アルヴァ・アアルトの部屋へ。彼の手がけたチェアや木工レリーフ、照明が展示されています。もちろん、自由に座れるスペースもあり。

やわらかな曲線を描いた涼しげなパステルブルーのディスプレイ棚に、アアルトのチェアがぴったり。


       


最後の部屋は、【3】フィンランドデザインの≪今≫が示すこと-森とともにある都市パステルイエローとイエローグリーンという、カラーの入ったディスプレイ棚が使われており、よりモダンで明るい未来のイメージが感じられました。

会場を出ると、広々としたエントランスホールにミュージアムショップやカフェ、そしてシンボル的存在となっている小坂憲正氏による「森の家」。

静岡会場では、少しだけ、家の中におじゃますることができます。この日、家の中には、美しいヒンメリが飾られていました。ワークショップで参加者の皆様が作ったものだそうです。




       
         
        静岡市美術館のミュージアムショップにも、多くの人が出入りしていました。お土産はどうしようかと迷ってしまうほどの品揃えです。

小さなお子様連れファミリーの姿も見られ、楽しそうにお買い物されていました。こちらは観覧券がなくても出入り可能なスペース。何度か訪れている人もいらっしゃるとか。
 
   
 
     
  ミュージアムショップ正面から右方向に、もうひとつ展示室があり、現在、彫刻家・写真家の小林且典(こばやし かつのり)氏による「Shizubi Project2 ひそやかな眼差し 小林且典」が同時開催されています。小林氏は2010年、フィンランドの芸術家村で知られるフィスカルスに滞在経験のあるアーティスト。

展示もご自身でされたという空間に一歩入ると、静寂の中で、さまざまなシーンを想像させる神秘的な世界に包まれます。

自身の彫刻作品を、自作のレンズで撮影した独特な写真作品も必見。「フィンランドのくらしとデザイン-ムーミンが住む森の生活」とともに、楽しめる内容になっています。こちらは入場無料。11月25日(日)まで開催

第三会場・静岡市美術館での「フィンランドのくらしとデザイン-ムーミンが住む森の生活」は、10月8日(月・祝)まで。
     
         
         
  全国巡回展「フィンランドのくらしとデザイン-ムーミンが住む森の生活」
会期・会場:
2012(平成24)年4月7日(土)~6月3日(日) 青森県立美術館
6月10日(日)~8月26日(日) 宇都宮美術館
9月1日(土)~10月8日(月・祝) 静岡市美術館
10月19日(金)~12月24日(月・祝) 長崎県美術館
2013(平成25)年1月10日(木)~3月10日(日) 兵庫県立美術館

展覧会オフィシャル・ウェブサイト
http://www.finland-design.com/
静岡市美術館
http://www.shizubi.jp/
北欧区ブログ関連記事
http://ameblo.jp/hokuwalk/entry-11192131995.html
特集記事(宇都宮会場)
 【特集】全国巡回展「フィンランドのくらしとデザイン-ムーミンが住む森の生活」(宇都宮)







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