11月30日~12月6日まで、ユーロスペースにて開催されていたスウェーデン映画祭2013。
国内初、世界でも最大規模というこのスウェーデン映画祭2013でしたが、皆様、お目当ての作品、お気に入りの作品に出会えたでしょうか?
北欧区は全5作鑑賞。試写で拝見した「シーモンとオークの木」、マグヌソン監督の「四年間」、「フリッカー」、「アンチーブまでの片道」、そして反響が大きかったという「セッベ」です。
まず、リーサ・オリーン監督、ビル・スカーシュゴード主演の「シーモンとオークの木」と、トーヴァ・マグヌソン監督の「四年間」について。
マリアン・フレドリックソンのベストセラーが原作となっている作品。第2次世界大戦という時代背景が舞台となっており、当時スウェーデンにいるユダヤ系の
人たちに対して、彼らがどう扱われたのか。真実を必死で隠し、大人たちが賢明に子供たち・家族を守ろうとしている様に、スウェーデンの歴史の一部を垣間見
た気がしました。
また、育ちや家柄が全く異なる2人の男の子の友情や恋。彼らの成長過程も見どころ。主演のビル・スカーシュゴードの表情、しぐさに心奪われ、美しい映像と
音楽にただただ感動。そんなシーモンと家族たちをずっとずっと優しく見守ってくれるオークの木。観ているこちらも、「シーモンたちをこれからもよろしく」
と、オークの木にお願いしてしまうような思いを抱いてしまいました。
劇場公開してほしいという声も多いのではないでしょうか!
「シーモンとオークの木」
http://www.swedenabroad.com/ja-JP/Embassies/Tokyo/4/-sys2/-sys/-sys/
トーヴァ・マグヌソン監督の「四年間」も、反響が大きかった作品のひとつだと感じています。
政治の世界を舞台に巻き起こるラブコメディ。まさか50歳になるまで自分が同性愛者だと気づかなかった主人公ダヴィッドに思わずエールを送りたくなってし
まう、ユーモアとシリアスのバランスが絶妙な作品。(ちなみに、スウェーデンの政治家の平均年齢は48~52歳だそうです。ダヴィッドはまさに平均年齢く
らいですね!)
マグヌソン監督によると、この作品の原作者は国会ジャーナリストだったそうで、面白い政治家が多く、それがベースになっているのだとか。そこに同性愛という要素を盛り込んで制作したそうです。
保守的な政党のトップにいる主人公が恋をしてしまうお相手は、10歳ほど年下で、しかも革新的な政党の期待の星。右派と左派の立場にいる政治家ならではの
“単語”をたくみに使いながら、恋バナがテンポよく展開されていきます。また、好きな音楽が2人を結ぶといった点も見どころ。好きな音楽や映画がいっ
しょ、というのは世界共通して、人と人が惹かれあう理由のひとつなのでしょうね。
主人公のダヴィッド役はスウェーデンでも非常に有名な俳優、ビョーン・シェルマン。お相手のマッティ役のエリック・エリクソンはまさにこれからの若手なのだとか。
実は女優としても活動するマグヌソン監督も重要な役で登場しているんです!なんとダヴィッド役の妻・フィアを演じています。妻、ではあるのですが、ダヴィッドとは非常にプロフェッショナルな関係。
スウェーデンだけではないかもしれませんが、男性はいつでも、いくつになってもロマンチスト。そして女性は強く、現実的。でも、そんな女性が見守っているからこそ、男性はロマンチストでいられるのかなと強く感じた作品でした。
「四年間」
http://www.swedenabroad.com/ja-JP/Embassies/Tokyo/4/-sys2/-sys/-sys3/
マグヌソン監督は今作が長編2本目。これまでTVシリーズを5~6本手がけてきたそうです。次回作について、「今はスウェーデンの“オスカー”に相当する
賞に向けてがんばっています。あと、コメディや2つの長編シリーズなどを同時進行で撮っています」とおっしゃっていました。
会場からは、「ぜひリヴ・ウルマンさんとの母娘役も見てみたいですね」という声に、「彼女はほぼ監督活動に専念されていますが、実現したら嬉しいですね」と笑顔で答えてらっしゃいました。
一つひとつの質問にていねいに回答するマグヌソン監督。会場からは次から次へと質問があふれていましたが、次の回の上映時間が迫っていたため、強制終了となりました。
今作が長編2本目とは!今後の作品にも目が離せないですね。
スウェーデン映画祭とは?
【11/30-12/6】スウェーデン映画祭2013
監督挨拶など、オープニングパーティーの模様はこちら!
本日11/30開幕!スウェーデン映画祭2013(オープニングパーティーの模様あり)
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【特集】伝説的な女優リヴ・ウルマン、映画「リヴ&イングマール ある愛の風景」を語る。
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