11月20日から22日の3日間、東京ビッグサイトにて開催されたインテリア・デザインの国際見本市「IFFT/インテリア ライフスタイル リビング」。世界19の国と地域から、過去最大数となる472社が出展し、家具や建材からファッションやテキスタイルといった、リビングまわりのバラエティ豊かなプロダクトが集結しました。
デンマークやスウェーデン、ノルウェー、フィンランドの北欧のブランドも登場。前編では、デンマークの照明ブランド「VITAコペンハーゲン」、スウェーデンのシステム棚「ストリング」、ノルウェーデザインを伝える「ノルウェージャンアイコンズ」、初出展となるフィンランドの「テーム・ヤルヴィ イラストレーション」を紹介します。
■VITAコペンハーゲン(デンマーク)
より多くの人に手にとってもらいたい思いから誕生。
デザインだけでなく、環境や価格帯にもこだわった照明。
2008年創業、自分で組み立てるデンマークの照明ブランド「VITAコペンハーゲン」。コストを抑えることのできるコンパクトでフラットパックされた照明は、贈り物にもぴったり。気軽に手軽にプレゼントできるデザイン照明であることにも驚かされました。
VITAコペンハーゲンは、シンプル、機能性、環境に配慮し、持続可能であること、そして、エッジのある絶妙なデザインという、スカンジナビアンデザインの美学を大切にしているブランド。フラットパックにより、輸送コストを削減、保管しやすいため、広く多くの人に手頃な価格でグッドデザインを提供することを意識しています。
ふわふわのガチョウのフェザーが柔らかな光を灯す「Eos」シリーズ(写真上:左)や、三角形のパネルをまるで花びらのように組み合わせたオーガニックなフォルムの「Silvia」シリーズ(写真上:中央)。「Silvia」は、プラスチック素材ののほかに、銅や真鍮製もあります。
ベビーローズ、ターコイズなど、部屋に花が咲いたような優しい光を放つ「Carmina」シリーズ(写真上)。卓上使いでも、吊り下げ式でも使用可能。デンマークの美しい海岸線の砂丘の柔らかな波にインスパイアされた、Soren Ravn ChristensenとAnders Klemによるデザインです。
VITAコペンハーゲン(株式会社エルックス)
https://www.vitacopenhagen.com/
■ストリング(スウェーデン)
シンプル×ミニマム×タイムレス。
壁の有効利用で、部屋はもっと広く、美しく。
インテリアスタイリストの黒田美津子さんが手がけたという、ひときわ目を引く美しいブースは、スウェーデンのシステム収納棚を提案する「ストリング」。玄関、ダイニングキッチン、子供部屋、パウダールーム、ホームオフィスの構成で、ストリングの魅力を伝えています。
ストリングの収納棚「ストリング・シェルフ」は、スウェーデンのニルス・ストリニングが考案し、1949年に誕生。1950~60年代、特にスウェーデンのファミリー層から絶大な支持を得て、一般に広く愛されてきました。あまりにも自然にどの家庭にもあるものだったため、「ストリング」というブランド名を知らない人もいるそうですが、一目見ると「祖父母の家にもあった」と、若い世代の間でも認知されています。
ストリング・シェルフが登場する前までは、スウェーデンでは、今のように自分で家具を作ったりする習慣があまりなかったそうで、日本と同じように置き家具が主流で、既製品を購入するスタイルだったそうです。創業者のニルス・ストリニングは一度だけ、置き家具を作ったことがあったのだそうですが、やはりストリングの方向性ではないと、販売するのをやめたそうです。
ストリング・シェルフの登場で、狭い部屋の壁を有効に使うことにより、床の掃除もしやすく、広々としたスペースを生むことができました。後でシェルフを足したり、移動もできる棚は、奥行きを揃えることですっきりとした収納が可能になります。
深いグリーンの壁にウッディなカラーの棚を合わせたワーキングスペース。色やテクスチャーの組み合わせ次第で無機質になりがちなオフィスが、有機的かつ洗練されたあたたかい雰囲気に。フロアの家具は、白のデスクや棚で統一されています。
ワーキングスペースを意識したシリーズ「ストリング・ワークス」最大の注目ポイントは、昇降式デスク。長時間座りっぱなしは健康に悪影響を及ぼすという研究結果のもと、スウェーデンではかなり高い率で、オフィスにはこういった昇降式デスクが採用されているといいます。
ストリング ファニチャー
https://string.se/ja/
■ノルウェージャンアイコンズ(ノルウェー)
新しいノルウェー生まれのデザインから、
北欧のライフスタイルを感じる。
ノルウェーのデザインを世界へ向けて発信する「NORWEGIAN ICONS(ノルウェージャンアイコンズ)」は、アトリウム特別企画「THE HOTEL」エリア内にブースを構えていました。注目は、あたたかな色合いのマット。北ノルウェーで業務用マットのリース業を代々営む「HeyMat」が手がけたものです。
写真左手前に見えるカラフルなマットコレクションは、ノルウェー人デザイナーのクリスティーナ・フィーヴェ・メルヴェのデザイン。耐久性とメンテナンス、家庭にも取り入れやすいサイズやデザインが大きな特徴です。その家庭用玄関マットコレクションから、カロライン・オルソンによるデザインが新作として発表されていました(写真中央あたり床)。その他、ノルウェー家具メーカーによる新作家具、新作照明なども披露。
ノルウェージャンアイコンズ
http://www.norwegianicons.no/
■テーム・ヤルヴィ イラストレーション(フィンランド)
森で出会う動物たちをモチーフに、
彼らが思うことを想像しながら描く。
竹に似た自然素材、「葦(あし)」の先を尖らせたペンと墨で、躍動感あふれる動物を描くアーティスト、テーム・ヤルヴィ(Teemu Järvi)。ヘルシンキから1時間ほど離れた場所に住んでいるというテームさんは、作品に描かれている動物は全て、実際に森で見られる身近な動物たちだといいます。動物の動きをよく観察して、「いま彼らは何を感じ、思っているのだろう?」と、想像しながら描いているのだとか。
元々建築家だったというテームさん。家具などに携わっていました。「絵は趣味的に描いていたけれど、自分がやりたいことはこれだ!と、絵を描くことに専念。2012年より自然をテーマにしたアートプリントやポスター、日用品などを手がけています。「(職を変えて)今、とてもハッピーですね」と、絵を描く仕事に喜びを感じているそうです。
いつも愛用している道具もテーブルに並べて見せてくれました。また、イラストだけでなく、木のマッチ箱やブランケットなど、自身のイラストレーションがプリントされたプロダクトも展開しています。
テーム・ヤルヴィ イラストレーション
http://www.teemujarvi.com/
▼実は2013年に日本で個展を開催されているテームさん。そのときの記事もご参考に。
http://www.hokuwalk.com/News/page/page_id/012013092500016001
IFFT/Interior Lifestyle Living
会期:2017 年 11 月 20 日(月) - 22 日(水) ※終了しました
会場:東京ビッグサイト 西 1・3・4 ホール+アトリウム
時間:10:00 - 18:00(最終日は 17:00 まで)
http://ifft-interiorlifestyle-living.jp.messefrankfurt.com/
▼後編もぜひ!
【特集】フィンランド・ラップランド発「ペンティック」日本初上陸!IFFT/インテリア ライフスタイル リビング(後編)