2018/06/12

【特集】伝統から学び、応え続ける北欧デザイン インテリア ライフスタイル+他(前編)

前編では、インテリアの国際見本市「インテリア ライフスタイル」会場のほか、
他展示会会場から、ノルウェーやデンマークのブランドを中心にお届け!



5月30日(水)から6月1日(金)の3日間、東京ビッグサイトにて「インテリア ライフスタイル」が開催されました。3日間の来場者数は25,302名。世界29カ国・地域から810社(国内615社、海外195社)が出展。家具、テキスタイル、雑貨、ファッションなど、多岐にわたるジャンルのプロダクトが並び、この秋冬や来春に向けて、いち早く自慢のアイテムが披露されました。

毎年恒例の北欧のプロダクトが集う「Nordic Lifestyle」ゾーンのほか、特別企画の「アトリウム」会場やその他のエリアにも北欧関連のものを発見。前編では、インテリア ライフスタイル会場のほか、青山で開催されていた㈱スキャンデックス展示会会場から、ノルウェーやデンマークのブランドを紹介。後編では、フィンランド関連ブランドをまとめてぎゅっとお届けします。



<LE KLINT(レ・クリント)>
創業75周年!クリント家が生んだ美しきランプシェード


レ・クリントのランプシェードは、クリント家自宅のオイルランプのシェードのために作られたのが始まり。20世紀初頭、デンマークの著名な建築家P.V.イエンセン・クリントによって、紙を規則的に折り上げて作るランプシェードが誕生しました。クリント家の趣味の延長として作られたシェードは、美しいデザインだけではなく、機能的にも優れていたといいます。レ・クリント社は1943年に創業。以来、北欧デザインの代表格として人々の部屋に優しい明かりをともし続け、今年75周年を迎えました。

多くの来場者を引きつけていたレ・クリントのインテリア ライフスタイル会場。デンマークより来日したレ・クリント社の折りの技師、Dorthe Kasperさんが、1枚のプラスチックシートを手で折りあげるランプシェードの実演を披露。規則的なプリーツが並ぶ、デンマークの先駆的建築家であり、家具デザイナーのコーア・クリント(Kaare Klint)がデザインした、フルーツランプと呼ばれる球体のシェード「101」。まずは、プリーツに合わせて折っていきます。



折るときに傷つけないよう、折ったプリーツを押さえるのに指の力がかなりいるのだそう。24時間萎めたものをまた広げて平らにして、まあるくミシンをかける。Dortheさんの手にかかると、プラスチックシートがまるで薄い紙のように小さくなったり大きくなったりと自由自在。なんといってもその速さには驚かされます。

 

ちなみに、「101」1つをきちんと折れるようになるには、丸3年ほどかかるらしい。昔は紙製のものもありましたが、今ではプラスチッック製のシェードが主流。シェードを取り、水洗いできるのが便利。仕上げも緻密な作業ですが、束ねてあっというまに完成。魔法というしかいいようがありません。

https://www.leklint.com/en-GB/Home.aspx
https://www.scandex.co.jp/leklint/



<Norwegian Icons(ノルウェージャンアイコンズ)>
ノルウェーの若手デザイナーによるアイテムを揃える


HEYMATは、マットのクリーニングとレンタル業務に携わる大手ランドリー会社の3代目にあたるThoralf Lian夫妻が2015年創業の立ち上げたインテリアマットブランド。屋外でも屋内でも使えて、洗濯機で洗えるインテリアマットです。

機能性はあっても、玄関マットでデザイン性にこだわったものがあまりなかったために、デザイナーと開発した家庭用の小さめサイズのマットが人気を呼びました。四角だけだったのが、今回丸型も登場。玄関だけでなく、リビングのアクセントにも使えそう。デザイナーは、さまざまなプロダクトを手がけるデザイナー、Caroline Olsson。

 

また、Objekt.というブランドの面白いテーブルを発見。なんと、石材と木材が組み合わさったデザインで、木はオーク、石はノルウェーのラールヴィック地方の特産というラルバカイト石(黒御影石)。日本の御影石はもっと細かいけれど、このラルバカイトはもっと粗め。自然が作ったナチュラルなアートともいえます。石のテーブル部分で仕上げの調理をして、すぐに食卓に出すことも可能。また、「As long as you like」というネーミングの通り、長さを自由にオーダーできるというのもユニーク。



https://heymat.no/
http://carolineolsson.no/
http://www.norwegianicons.no/



<FDB Møbler(FDBモブラー)/String(ストリング)>
デンマークとスウェーデンの国民的ブランドの共演

デンマークの家具ブランド「FDBモブラー」とスウェーデンの「String」という、両国の定番家具として愛される国民的インテリアが同じブースで披露されていました。狭小住宅でも、狭く感じさせないシンプルで機能的なデザインというのは共通点でもあります。(FDBモブラーについての記事はこちら もご参考に)

FDBモブラーは、良質のものが適正価格で多くの人々に行き渡るよう立ち上げられたデンマーク生活協同組合連合会(FDB)の家具部門。インテリア事業から消費者の生活レベル向上を目指し、家具の製造から販売にいたるプロセスをすべて担っていました。初代企画デザイン担当責任者に抜擢されたのが、FDBモブラーの顔ともいえるボーエ・モーエンセンです。

ハンス・J・ウェグナーやアルネ・ヤコブセンらは、FDBモブラーで経験を積み、彼らの家具が賞賛を浴びたことでデンマークデザインが世界でその名を知られるようになりました。大きな影響を与えたFDBモブラーはいわば、デンマークデザインの礎ともいえます。



こちらは、Erik Ole Jørgensen(エリック・オーレ・ヨーゲンセン)が1978年にデザインした1人掛けソファ「J146」。スポークを使用したフレームですっきりとしたデザイン。ゆったりと腰をかけることができる人気チェア。

http://fdbmobler.dk/
https://string.se/ja/
http://www.greeniche.jp/



<Kähler(ケーラー)>
心地よいライフスタイルに欠かせない、手が届く芸術品

インテリア ライフスタイル会場から青山へ移動。北欧のインテリアブランドを扱う㈱スキャンデックスの展示会では、ケーラー、レ・クリント、ステルトンといったデンマークブランドのほか、フィンランドブランドもずらりと披露されていました。

デンマークの陶磁器ブランド「ケーラー」は、陶芸家のHerman J. Kähler(ハーマン・J・ケーラー)により1839年に創業。息子のHerman A. Kahler(ハーマン・A・ケーラー)が工房を引き継ぎ、世界中の展覧会や美術館で展示され、高い評価を受けたことで国際的な陶器メーカーとして知られるようになりました。

芸術と伝統工芸にこだわるケーラーは、180年前から変わらず職人によるハンドメイドで作られています。会場でも、豊富なカラーやサイズバリエーションに圧倒されました。上画像は、「Hammershøi」シリーズ。ハンドメイドガラスのグリーンのプレートやタンブラーが爽やか!



花をより美しく魅せる可憐な名脇役「Hammershøi」ベース、見ているだけで楽しい三角のオブジェ「Glazed Cone」は、お部屋やテーブルのアクセントになりそう((左画像)。また、なんとなくボーダー模様の洋服を着ているようなキュート&モダンな「Omaggio」のベースはカラーもサイズも豊富。どれも手のぬくもりを感じます((右画像)。

https://www.kahlerdesign.com/
https://www.scandex.co.jp/

取材会場:Interior Lifestyle Tokyo/インテリア ライフスタイル (レ・クリント、ノルウェージャンアイコンズ、FDBモブラー&ストリング)
取材会場:サンワカンパニー東京ショールーム(ケーラー)

▼2017年のインテリア ライフスタイルの記事もあわせてどうぞ!
【特集】デザイン性に優れた北欧の最新アイテムに迫る!インテリア ライフスタイル(前編)
【特集】フィンランドのレザーバッグブランド「LUMI」デザイナーインタビュー インテリア ライフスタイル(後編)

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