毎年、11月はじめに発表される恒例の「Nordic Council Film Prize」。
北欧5ヶ国からその年の代表作となる映画が、1ヶ国につき1作品のみ選出され、そこから北欧ナンバーワンを決定する映画賞。北欧で制作された長編作品が対象となる。
今年は、セルマ・ヴィルフネン監督・脚本によるフィンランド映画『リトル・ウイング』が北欧ナンバーワンに輝いた。2017年のフィンランド・アカデミー賞(Jussi賞)において10部門でノミネート、主演女優賞を受賞した作品で、11月8日まで東京で開催中のフィンランド映画祭2017でも上映されている。
『リトル・ウィング』は、思春期から成人期の成長段階に見られる、どの家庭でも起こり得るような家族紛争を描いたドラマ。12歳の主人公、ヴァルプを演じたリンネア・スコーグの演技もさることながら、コンパクトな動きの中に、大きな感情を捉えることができるという、ヴィルフネンの監督、脚本家としての手腕もたたえられた。
その他の北欧諸国のノミネート作品は、次のとおり。
■デンマーク
『Parents』(クリスチャン・タフドルップ監督)
https://www.levelk.dk/films/parents/2753
■アイスランド
『ハートストーン』(グズムンドゥル・アルナル・グズムンドソン監督)※日本では2017年7月公開
http://www.magichour.co.jp/heartstone/
■ノルウェー
『Hunting Flies』(イザー・アリウ監督)
https://www.facebook.com/HuntingFlies/
■スウェーデン
『サーミの血』(アマンダ・シェーネル監督)※日本では2017年9月公開
http://www.uplink.co.jp/sami/
昨年のNordic Council Film Prizeは、ノルウェー代表のヨアキム・トリアー監督作の『Louder than Bombs』。日本では、『母の残像』として昨年11月に公開されている。
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北欧ニュース編集員
今年のNordic Council Film Prizeは、フィンランドが獲得!
また、アキ・カウリスマキ監督の『希望のかなた』(日本12/2公開)が、本年度の国際映画批評家連盟賞グランプリに選出されたというニュースも。(『過去のない男』(02)に続き、2度目の受賞)
フィンランド独立100周年記念の年に、フィンランド映画が目立つ年になっていますね。
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※来週号は都合によりお休みさせていただきます。