Alicja Kwade: Big Be-Hide, 2019 ©Maija Toivanen/HAM/Helsinki Biennial 2021 Tadashi Kawamata, Vallisaari Lighthouse, 2021 © Maija Toivanen/ HAM/ Helsinki Biennial 2021 |
フィンランドの首都ヘルシンキ市の設立記念日だった6月12日より、現代美術の国際的アートイベント「ヘルシンキ・ビエンナーレ2021」が、同市のほかオンラインにて開催中。
ヘルシンキ・ビエンナーレ2021は、手つかずの自然と都市遺産が融合した旧軍用島、ヴァッリサーリ島のほか、ヘルシンキ本土でもアート作品が展示されている。全作品のうち75%は、今回のために新しく制作されたもの。ヴァッリサーリ島の文化的歴史、 地政学的位置、 多様な環境の特性を生かした、世界各国の41のアーティストおよびアーティストグループによる作品やインスタレーションが披露されているという。
ヘルシンキ・アート・ミュージアム(HAM)のヘッド・キュレーター、Pirkko Siitari (ピルッコ・シッタリ)氏とTaru Tappola (タル・タッポラ)氏が企画した同イベントのテーマは「The Same Sea」(相互依存)。展示物は、人類と自然との関係、時間と変化、国境とアイデンティティ、共感など、多様で話題性のあるテーマを扱う。
火薬庫として使われていた建物や古い住宅を活用したものなど、作品の約3分の1は屋外に設置されているという。全ての作品は、新型コロナウイルス感染症の各種ガイドラインに沿って公開されている。
旅行の制限などで海外からの来場が難しい中、遠方の観客にも届くように、アーティストへのインタビュー映像やパフォーマンスのビデオ映像、さらには、選りすぐりのデジタルアート作品の展示といった、バーチャルなサービスをビエンナーレのサイトで楽しむことができる。
作品には、世界各国で作品を披露しているインスタレーション・アーティストで現代美術家である川俣正の作品「Vallisaari Lighthouse」や、セラミックデザイナーのルート・ブリュックとガラスデザイナーのタピオ・ヴィルッカラを両親に持つ、現代芸術家のマーリア・ヴィルッカラの新作「Not So Innocent, site- specific installation」も見ることができる。
ヘルシンキ・ビエンナーレ2021は、9月26日(日)まで開催中。
ヘルシンキ・ビエンナーレ2021
http://www.helsinkibiennial.fi/
▼参考記事 マーリア・ヴィルカラさんインタビュー
【特集】ルート・ブリュックの長女が語る自分のこと、家族のこと マーリア・ヴィルカラ インタビュー
北欧ニュース編集員
多くの時間をかけて準備にあたったというヘルシンキ・ビエンナーレ。ヴァッリサーリ島に渡るフェリーは有料ですが、ヘルシンキ・ビエンナーレは無料です。現地にいらっしゃる方は、この夏、アートの島へのお出かけもいいですね!そこの地形、風景に溶け込んで制作されるインスタレーション作品は、その場所で見るのが一番良いかもしれませんが、遠方の人もオンラインで触れることができるのはありがたいですね!